教育福島0146号(1990年(H02)04月)-030page

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フランス語

菅野浩毅

 

たな英語も何とか通じたのでさほど困らなかったが、問題はフランスでだった。

 

今年二月、海外へ研修に行く機会を得て、ヨーロッパをひとりで一か月間旅して来た。テーマは都市開発。イギリス・フランス・西ドイツ・ベルギーの諸都市をまわって来た。イギリス・ドイツ・ベルギーでは、わたしのヘたな英語も何とか通じたのでさほど困らなかったが、問題はフランスでだった。

言葉が通じない。地下鉄の駅の窓口のおばさんは英語をちっともわかってくれない。ガイドブックにかかれている地下鉄・バス乗り放題の切符「パリセザム」を欲しいといったが、通じない。仕方がないので、窓口にかかれている、それらしい切符を指で示し(数字だけで判断したのだ)購入した。ものを買うときは、あれこれ言わず指差すのが手っとり早い。(後でわかったことだが、「パリセザム」はなくなり、「パリビジテ」という切符に変わったのだった)また、カフェテリアで食事を取っても、ここのギャルソンもまた英語を話せない。メニューをどうにか読み、指で示し、牛乳とサンドイッチを注文した。確かにわたしは“ホットミルク”と言ったのだが、出て来たのは良く冷えた牛乳だった。

パリ滞在四日目。おのぼりさんよろしくパリの名所を一通り巡ったあとに、パリ北西部二十キロにあるニュータウン、セルジィポントワーズを訪問した。そこの県庁舎を訪ねたのだが、英語を話せる人がまたしてもいないのだ。あまりにも英語が通じないので自分の英語に疑問を感じ、しまいには日本語で話したが所詮通じるはずもなく、困ってしまった。そこで、わずかの英語が話せる(とは言っても、話せないも同然の)受付のマダム(四十前後くらいの小柄で美しいフランスの婦人)に助けていただいた。彼女アン(e付のアンです)・バンケットさんは、息子さんが英語の学校に通っているので、彼女にわたしの英語をフランス語に通訳してもらうというのだ。さっそく息子さんのところへ電話をしてくれた。わたしが彼に英語で用件を伝える。彼がフランス語でアンヘ通訳する。そしてまた、彼はアンのフランス語を英語でわたしへ通訳する。こんなことの繰り返しで、ようやく目的達成、セルジィポントワーズ開発公社へ案内していただき、資料を得ることができたのだった。この親子の親切がとてもうれしかった。アンが「I like Japon」とフランス語混じりの英語で話したのが思い出される。

翌々日、南フランスのモンペリエにて。切符を予約しておこうと駅へ行ったら、なんと見事に言葉が通じない。職員の誰もが英語を理解しないのだ。そして、通訳になってくれる人を探すべく、宿のYHへ。(ユースホステルにはいろんな人がいて、力を貨してれる人が一人二人はいるものだ)果して、味方を得たり。Emmanuel Hiribarren.バスク人の彼は、母国語のフランス語のほか流暢な英語を話せ、駅までいっしょに行って切符の手配をしてくれた。その上、まる一日ラングドック・ルシヨン地域の案内役兼ドライバー兼通訳までしてくれたのだ。

「フランス人は母国語に誇りを持っており、英語を話せても話さない」という話を聞いたが、本当にそうだろうか。フランスなのだから、英語が通じなくて当たり前。でも、フランス語がわからないおかげで良い人たちに出会えた。

今わたしはフランス語を習いに通っている。アンやエマニュエルにフランス語で手紙を書こうと思う。また、日本人はもとより、ほかの国々の人々にも、わたしが、外国で受けたように親切にしてあげようと思う。

(教育庁総務課 主事)

 

ストップ・ザ・食中毒

 

食中毒が発生しやすい季節です。

学校や給食施設等で、もう一度基本的な衛生管理に注意し、学校給食からの食中毒の絶無に努めましょう。

 

食中毒予防の三原則

清潔

・手洗いの励行

・食器具の洗浄・消毒

迅速

・食材料を早く調理し、早く食べる

・細菌に増殖する時を与えない

冷却・加熱

・食材料の低温保存で、細菌の増殖防止

・十分な加熱での殺菌

 

 

 


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