教育福島0146号(1990年(H02)04月)-047page
わたしの学校ぼくらの活動
どこの学校にも、心をときめかせる活動があります。意欲をかき立てる特色ある活動があります。次に、管内の幼稚園、小・中学校から一つずつ紹介していただきました。
「のびのびと元気な子どもらしい子どもの育成」を目ざして
−東村立東幼稚園−
「おはようございます」
朝の園庭いっぱいに元気な声が広がって、幼稚園の一日が始まる。
三、四人がかめの周りに集まった。
「このかめ、ぼくのこと好きみたい」
「かめさんに聞いてみな」と女の子。
「かめさん、ぼくのこと好きなの」
真顔でかめに問いかける男の子。
保育室ではママごとが始まった。
「ワンワン」とポチになり切って餌をねだっている男の子。「みそラーメンですか」と屋台の中でラーメン屋のご夫婦。そこには何のためらいもない子どもの世界がある。
本園では一人ひとりの子どもが幼児期にふさわしい、子どもらしい生活が展開されるよう願って新しい教育課程の実施にふみ切った。恵れた自然と広い園庭を生かし、子ども達が自発的に活動できる環境の設定を工夫し、ねらいの達成を図りたいと思う。
新しい校舎っていいな
−大信村立信夫第一小学校−
新校舎建築着工後九か月余り、全児童二百十名が待ちに待った新校舎がようやく完成した。卒業式を数日後に控えた三月十八日、保護者、教育委員会の方々のご協力により、無事引っ越しを完了することができた。次の日、子どもたちが登校、校舎の中に入って全員びっくり仰天。それは、校舎内の美しさと便利さ、そして眺望の良さであった。ボタン一つで点火できるストーブ、衛生的できれいな水洗トイレ、全児童が一堂に会せる広い多目的ホール等、古い木造校舎では考えられない施設が盛りだくさん。そして、四月六日の入学式、新一年生三十六名が入学してきた。早速、多目的ホールを使っての歓迎会。そこには、喜びと期待に満ちた全児童全職員の顔があった。今後は、この子どもたちのより良き成長を願い我々十一名の教職員一致協力して、教育内容の充実に努める所存である。
豊かな心の育成をめざして学校菜園で勤労体験
−白河市立東北中学校−
「昨年やったじゃがいもまきは、小学四年の時もやりました。だけど何年もやっていなかったので、とても疲れました。家は農業をやっていません。だからたまにはこういう経験はいいなあと思いました。」--(一年男子)
慣れない手つきで鍬を持ち、畝を立てる者、種芋をそっと土の中に埋めこむ者-上級生になると、さすがにその手つきは堂に入ったものとなり、作業がてきぱきと進められていく。
本校では勤労体験を通して、働くことや奉仕することの喜びを感じとらせ、道徳的実践意欲の向上に努めている。
収穫時期になると、生徒達は、「まいた種は小さいのに、こんなに大きいものができた」と、驚きの声を異口同音に発し、これまでの作業のつらさがふっとんで、働くことの喜びを味わうのである。働くこと-人の生きる基盤と考える時、体験は最良の教師となる。