教育福島0147号(1990年(H02)06月)-010page
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こと。
・児童生徒が、存分に自己発揮し、自己実現を図ることができるよう教師と児童生徒及び児童生徒相互の間に望ましい人間関係をつくりあげること。
○個人の能力の面において学業の障害となるような事実の発見に努め、可能な限りその解決に努めること。
○学習不適応の原因に応じた指導の方策を用意し、一人一人を励ますようにすること。
四 教育相談の効果的な実施
児童生徒は、多かれ少なかれ不安や悩みを持っているものである。教師は児童生徒のもつ不安や悩みを把握し、適切な対応をしていくことが必要である。
そのためには、教師と児童生徒との信頼感と、共感的な人間関係を基盤にした教育相談を進めていくことが必要である。教師は、人間としての弱さや不安を自覚した一人の人間として、一人一人の児童生徒の行動と心の動きに寄り添いながら、児童生徒の自己理解を深めさせ、児童生徒自身が自らの間題を解決する能力を発達させるように援助していくことが大切である。
○日常における一人一人の児童生徒との心のつながりを持つ手だてを工夫すること。
○児童生徒との内面的なつながりを深める手だてを大切に扱うこと。
次に掲げる二つの事例は、生徒指導研究校の指定を受け、昨年度研究の報告を行った学校の研究内容である。各学校の実践の参考にしていただきたい。
意欲的に実践する態度を育てる生徒指導
−自己目標を追求する児童をめざして−
福島市立岡山小学校
一 主題設定の理由
教育目標の具現と児童の実態とを考慮し、「めざす子ども像」を設定した。
このことを実現するため、まず、教師と児童、児童相互の望ましい人間関係を基盤にした学習集団づくりと生徒指導の機能を生かした授業改善に努めなければならないと考え、研究主題及び副主題を設定した。
まず、主題「意欲的に実践する態度を育てる生徒指導」を具現する方策の一つとして、教師の教育相談的態度に徹する姿勢が大切であると考えた。
すなわち、受容の精神、受容の態度で接していくことにより、教師と児童、児童相互に好ましい人間関係を生み出し、学習意欲を高め、意欲的に実践する態度が形成されていくものと考えた。
また、生徒指導の機能を生かした授業改善に努めることも、子どもの学習意欲を高めるであろうと考えた。
私たちは、生徒指導の究極の目標は「自己指導の能力を育てること」であるとの共通理解を得た。そして、自己指導の能力を、個と集団とのかかわりの過程で、個性を伸ばし自己実現を図る力、学習生活の場で自己の目標を持ち、それを達成するにはどのような活動をすると良いかを、自ら判断し、実行していく力と考えた。
二 研究の見通し
「望ましい学習集団をつくる過程で、自己目標を立てる手だてを工夫し、主体的に活動させ、成就感・達成感を味わわせることによって、個々の意欲が高まり、実践する力がつくであろう」という見通しを立て、めざす児童像の実現に向け取り組んできた。
そのために、授業部・生活部・集会部の研究三部会を設置し、研究内容の具体的な構想を練り、共通理解を図りながら、低・中・高学年ブロックで実践に努めてきた。
三 研究内容
(一)生徒指導の機能を生かす授業改善
生徒指導の機能の五つの視点(人間的ふれあい、自己存在感、自己決定、成就感・達成感、学級集団を学習集団に高める)を指導過程の中で具体的におさえ、それらを意識した授業展開に努めてきた。
(二)自己コントロールできる生活態度の育成
児童自身が他に依存することなく、自己の意志によって決断し、行動する(すなわち、自主的に自己指導を進めていく)ことができるためには、その追求しつつある目標を明確にする必要があった。
そこで、生活面において自己目標を設定させ、実現を追求していく過程において、その援助指導のため生徒指導の機能をどのように働かせていくかが研究課題となった。
(三)自己を生かし、生き生きと活動する集会活動の創造
学年集会・全校集会活動は、子どもたちの自発的活動意欲を重視し、一人一人が集団に対する所属感や連帯感を高め、個性を発揮することのできる役割を得られるように導いていくことが大切である。
教師は、一人一人の個性を理解し、集会活動において各自に積極的な活動の機会を与えるため、計画・編成の工夫をし、実践を試みてきた。
四 研究の実践
授業部
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