教育福島0147号(1990年(H02)06月)-017page
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成元年十一月二十四日に、その成果を発表した。
また、文部省の生徒指導研究推進校として、県立喜多方工業高等学校が「生徒指導の観点からの、人間としての在り方生き方に関する指導の在り方について」をテーマに、平成元年度・平成二年度の二年間にわたる研究を進めているところである。
三 県立好間高等学校の研究、実践の紹介
県立好間高等学校では生徒の自律性を高めるための研究に正面から取り組み、学校生活のほとんどすべての場面に対して、生徒を向上させるための教師のあたたかい目が注がれた。
本研究のスタートは、指定を受けた時からではなく、既に三、四年前に中退者を多く出してしまい、教師全員が危機感ともいえる問題意識を持ったときからであるといえる。
それ以来、教師集団の生徒を思う気持の強さと、その心に生徒達が感じて自ら努力する姿勢が生まれていった経緯がそのまま研究となったといってよい。
従来の生徒指導をもう一度見直し、服装指導一つを例にとっても、その中には、全教師が、迷うことなく、信念を持って、しかも、生徒達の自覚を促す配慮を加えて、一貫して進める努力が含まれている。
アンケートに答えて、卒業して行く生徒たちの七十一パーセントが好間高校に入学して、良かったこととして、良い先生に出会えたことを挙げている。
「優しく、厳しく。いつでも、どこでも生徒指導を」を合い言葉に取り組んだ努力と苦労が、この一つのアンケートの中からも読みとることができる。
実にすばらしい研究活動であり、是非熟読されるよう希望したい。
自立性を高めるための生徒指導
-生き生きとした学校生活を目指して-
県立好間高等学校
一 主題設定の理由
本校生は、一般に素直で明るい。しかし、高校生としての自覚ある目的意識を持った、意欲ある生活を目指している生徒は、必ずしも多いとは言えない。そして、学校生活全般にわたって、教師の細部にわたる指示や指導を必要とし、教師への依存度が高い状態にある。また、自信の無さ、やる気の無さ、自制心や目的意識の欠如などが、問題行動へと走らせるケースも、まま見られる。
三か年の高校生活は、生徒それぞれの自己実現を図る大切な期間であり、自己の行動を規制するものとしての自律性が求められる。他律的ないろいろな規制の中で、自己実現を図るうえでの自律性が、どのような援助と指導のもとで、生徒一人一人に内面化し、より深化するかが問題となってくる。その方策を研究し、実践することにより、生徒自らが、自らを律し楽しく有意義な学校生活を送ることを期待するとともに、より自律的な生徒の意識の変容を図るために、この主題を設定した。
二 研究の基本方針
従来の生徒指導が、教師主導型の他律的な規制によって行われてきた一面のあることを踏まえて、
初年度(昭和六十三年度)は、これまでの指導の見直しと、生徒の自律性をはぐくむ指導の在り方を探ることを目標とした。
二年目は、生徒会や各種委員会等の活動を通して、自律性を高める指導の実践を目標として研究を進めた。その基本方針は左記の五項目である。
1 全教師の共通理解を基盤に推進する。
2 これまでの指導実践を見直し、改善する。
3 生徒の活動場面を多く取り入れる。
4 指導の結果や生徒の変容の姿を客観的にとらえるよう工夫する。
5 研究組織が効率よく機能するように、連絡調整を密にする。
三 研究組織
1 校務分掌の組織を生かし、「生活指導部」を中心にして、全職員で取り組む。
2 「指定研究推進委員会」は、校務運営委員会を母体として組織し、企画および他との連絡・調整を行う。構成メンバーは、校長・教頭・事務長・各部長、各学年主任・各教科代表(ただし、芸術・商業・家庭の3教科からは、代表一名)とする。
四 研究実践の段階
次の1から4への順に研究実践を推進した。
1 実態把握のための調査と研究
2 従来の指導法の確認と見直しのための実践活動
3 特別活動の指導と充実を図ることへの焦点化
4 研究と実践の評価と反省
五 実態把握のための意識調査から
1 合格者について(3月末の事前指導時に用紙配布、入学式当日に回収 資料1)
〈考察〉
○合格したことを「うれしく」思う生徒が九十八%となり、本校に対する期待を抱いて、入学しようとして
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