教育福島0147号(1990年(H02)06月)-024page
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生徒会行事として、平成元年度は例年にないものが新しく導入された。各種委員会の年間行事計画、各部合同合宿、いわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動への参加、体育祭実行委員会の結成などである。生徒一人一人が自主的、積極的に参加し活動できるように、多数の機会と場が設けられ、「自律性を高める」という目標に少しでも近づくことができるよう配慮された。その結果、生徒たちの真剣で“生き生きとした姿”が見られるようになった。
以上の他に、部活動や委員会活動の援助と指導、さらに、教育相談の充実や保護者との協力・地域社会との連携等を図るための実践研究及び教務部を始めとする校務分掌内での実践活動を行ったが、紙面の都合上割愛せざるを得ない。
七 研究の成果と今後の課題
(一)意識調査結果にみられる生徒の変容
1、昭和六十三年度の卒業生について
本校で三年間学んだ生徒の個人の変容度・学校の変化・後輩への期待などについて、三年(六十三年度卒業生)の三学期末のLHR時にアンケート方式により調査をした結果は資料6のとおりである。
資料6 卒業生にみられる意識の変容
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〈考察〉
○まず、卒業生は、礼儀・規則正しい生活などに代表される生活に関する内容を特に重視していることが分かる。その中で、自分の反省のみならず、後輩に対しても強く要望している点に着目したい。これは、実際に自分たちが自律性を身につけようと努力してきた自信と、就職・進学の間を突破してきた実感からの意見だと思われる。
○特に注目すべき点は、「良い先生と出会えた」と答えている生徒の割合が、飛躍的に伸びている点である。これは、生徒指導の面において、在学中に「厳しすぎるから」という理由で、先生を敬遠しがちだったのが、いざ卒業という時期になって、実際、自分のためになったことに気付き、改めて先生との出会いの喜びを実感したためではないだろうか。
○設問(5)の「自主的な行動ができたか」という問いに対する肯定的な見方が、特に男子を中心として強く見られる。これは、「好高祭」の復活、部活動での好成績など、男子生徒の活躍が特に目立ったという背景によるものと思われ、自分たちで考えたことを自分たちの手で実践できたことから得た自信の現れとして高く評価したい。
2 在校生について
指定研究の成果を探るため、生活学習などについて、平成元年九月にLHR時を用いて実施した調査結果は資料7のとおりである。
資料7 在校生にみられる意識の変容
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〈考察〉
○全体的に見て、各項目とも向上の傾向が感じられる。(7)の挨拶については、約八割の生徒が心がけており、(1)の服装・頭髪についても約七割が気を配っている。特に一年生の七十七・二パーセントがあいさつをするという結果がでている。以上のことから、本校生は、入学時からの一貫した服装指導、礼法指導により、あいさつ・身だしなみといった基本的な生活態度が身についていると思われる。
○(2)のトイレの使い方の改善、(4)のゴミの減少などは、環境美化の意識が高まってきたことを示すが、一方、(3)の自ら環境を整えようとする者の数は五十四パーセント弱と、自主的に教室などを美化しようとする意識は芽生え始めたところであろう。
○(5)と(6)の項目で「はい」を選んだ者の割合は高いとは言えない。特に(5)については、今後のきめ細かな学習指導の徹底が必要である。
○(8)の「好高生に対する評価」は、かなりの生徒が高まっていると感じている。これは、地域社会などから生徒の生活・行動に関する評価が上がっていること、年々入試の競争倍率が高くなっていることなどによるものと思われる。しかし、その数字の割には(9)の「プライドを持って行動している者」は少ない。評価が高まっているという意識は、生徒がさまざまな行動をする場面で自信に結び付き、より良い効果を生む可能性を持つ。また(10)の「自分の行動に責任を持ち、その結果を配慮するようになった」と答えた生徒は約三人中二人である。今後は、生徒一人一人に自信とプライドを持たせ、それを手掛かりとして自律性のある生活態度へと導いていかなくてはならない。
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