教育福島0147号(1990年(H02)06月)-030page
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生活の見直し
遠藤浩
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物質的に恵まれ、便利な世の中ヘと発展している今日、いろいろな出来事が起こっている。
子どもの欲求や興味・関心を尊重しそれに応じた教育をすることは当然のことであるが、それがゆき過ぎて、甘やかしや過保護となり、子どもに欲求不満に対する耐性がなくなり、セルフコントロールができなくなっているのも事実であると言われている。
また、科学の進歩に伴う生活環境の変化が生活時間の流れを大きく変え、その結果、子どもたちの生活の中に好ましくない影響も出ている。それは、『早寝早起き』と叫ばれつつも『遅寝遅起き』というべき姿で、生活のリズムに変化を来たしているということである。
では、生活のリズムが変化すると、生体にどんな影響を与えることになるのだろうか。例えば、睡眠不足のため集中力の不足、思考力の低下、体の不調などが挙げられる。更に、脳に関していうならば、松果体の働きが変わり、場合によっては思春期が早く訪れることさえもあり得るということである。
私が学生時代受けた講義で、「人間は、日中は目覚めて活動することによって頭をよくし、夜は眠って大脳ヘ栄養を十分に取り入れる。」つまり「夜、深く眠る中において成長ホルモンが最も多く分泌される」ということを聞いた。これは、自律神経面においても考えられることで、自律神経には交感神経と副交感神経とがあり、前者は主として活動神経で日中の働きの中心となるもので、後者は休養神経で夜の働きが中心となるべきものである。ところで、このことが逆現象になったならばどうなるか。太陽の光と電気の光とでは当然生体に与える影響は違う。よって前文で挙げたようなことが生じ得るのではないだろうか。
著しく社会が変化している現在、その社会生活にそった生活習慣というものをしつけていく必要があり、より具体的なものを身に付けさせなければならない。
そのためには、「早く寝ないと、朝早く起きることができないよ」という話しかけだけでは、子どもが納得することが難しく、かえって反発をかうことになりかねない。それよりも、子どもの一日の流れをきちんと把握することが大切であり、どんな生活をしていけばよいのかを、一家団らんの中で話し合い、取り組んでいくことが重要である。忙しさにかまけて、子どもへの接し方が言葉だけに終っていることも多分にあり、大人自身もを見直していかなければならないところである。
良い習慣を身に付けさせるには、よい環境づくりをしていくことが大切であり、『朝を制する者は一日を制す』といわれるように、『早寝早起き』を基本にした生活のリズムを身に付けさせていきたいと思う今日この頃である。
(古殿町立山上小学校教諭)
筑波にて
安藤重男
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ちょうど一年前の五月、県教委より教職員等中央研修講座に参加する機会をいただいた。
五月九日、土浦駅から直通バスにて国立教育会館筑波分館へ到着。初日の研修も無事終了し、重い荷物を持って宿泊棟七〇三号室に行く。ホッと一息。
こうして始まった全国各地の先生方と宿泊を共にしての三十六日間の中央研修は私にとって貴重な体験となった。
研修の中心は午前、午後の二コマ、五時間の講義。日本各界の第一線で活躍されている講師の先生方の講義は、その造詣の深さ、学問の奥の深さ等々数多くの驚きと感動を与えてくれるすばらしい内容であった。
中でも、将棋の大山名人が「人生論」の講義の中で「毎日毎日の努力があってこそ一人前になれるのです」と語りかけた言葉は、その訥々とした話し振りゆえに、かえって重みを増して感じられたものだった。
班別協議会(学習班)や宿泊棟での生活班の先生方との情報交換、そして語らい、これは何よりもすばらしい財産になった。教育現場を取り巻く全国
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