教育福島0147号(1990年(H02)06月)-047page
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せる。その中で、自分自身の考えを吟味したり、問い直しさせる。また、話し合いをとおし、修正、あるいは確認していく。そうすることにより、高められた価値の追求となると考えられる。
2)価値観の類型化
価値を追求把握していく中心発問で行う。資料で登場する人物の行為や考え方、感じ方を述べる中で、児童の多様な考え方、感じ方(価値観)をいくつかに類型化してやる。その類型化された価値観に照らして、自分の価値観はどれかを明らかにする。
3)内省化
展開段階の後半を内省化と称して、今までの自分に気付かせ、価値の主体的自覚を図る方法として実践している。ここでは、より高められた価値観に照らして自分も振り返り、今までの不十分な自分を主体的に自覚させるのである。類型化した価値観を大事に考えさせ自分を見つめるよりどころにしている。はっきりした観点があるので、自己を見つめるのに有効である。また、内省化にあたっては、高学年では書くこと、低学年では資料に印をつけたりすることも工夫する。
(三)検証の視点
1)迷いの場と方法は適切であったか。
2)教師の考えた類型化の内容は適切であったか。
3)自己を見つめる内省化が図られたか。
(四)検証授業(資料1参照)
検証の視点1)〜3)に照らして児童の変容を見つめていく。
〈指導研究部〉 実践例
(一)町内美化活動
自分たちが、ふだん世話になっている場所を清掃することにより、奉仕の心、美しい環境づくりをねらい実践する。
(二)基本的生活習慣の形成
教育目標の具現化を図るため、「田島小のよい子」という児童像を掲げた。さらに、児童の意識を高めるため、下学年、上学年別に各項目ごとの視点を定め指導してきた。そして、学期ごとの反省を通心箋で家庭に知らせた。
また、生徒指導年間指導計画の中に位置付け、児童会活動との関連を図り、学校教育全体の場で実践できるようにしていく。(資料2参照)
資料2 通信箋の記入例
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〈連携研究部〉
児童は、両親の行動を範例とし、親のもつ道徳的判断や態度を模倣して自然に受け継でいく。家庭は児童の道徳性の発達に影響を与える重要な場である。また、児童は地域社会からも様様な影響を受けて成長している。
したがって、道徳教育を効果あるものにするには、学校と家庭の連携により教育的機能を高めていくことが大切である。そこで、家庭への働きかけを工夫し、家庭からの要望や意見に耳を傾けながら実践する。
−実践例 回覧ノートやまびこ−
学級ごとに回覧し、保護者の意見を交換し、家庭でのしつけ、学校教育についての相互理解に役立てている。
回覧ノート「やまびこ」
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六 成果と今後の課題
(一)成果
「迷いの場」設定のため、資料分析がよく行われ、児童、教師ともねらいからはずれることなく授業が進められ、児童も、主人公だけでなく、まわりの人物や様子等、多面的に考えられるようになってきた。
また、生活の中の様々な問題に気付く芽が育ち、自分の力で対処したり、友だちや教師と協力して解決しようとしたりする意欲が見えはじめてきた。
(二)今後の課題
児童を「迷わせ、考えさせる。」時間と、感動させるだけの時間等の配分を考え、豊かな心づくりの工夫が必要である。
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