教育福島0148号(1990年(H02)07月)-040page

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できる児童も見られた。(資料2)

○ 学習の手順が身に付き、一人学習により、叙述に即した正しい読み取りができるようになった。

○ 話し合い活動が充実し、深まりのある読み取りができるようになった。

○ 生き生きとした確かな読み取りをする中で、主体的な学習態度が培われてきた。

○ 主体的な学習をすることにより、確かな知識と理解する力がついた。

○ 学習内容に応じ、児童の興味を持続させるとともに学習効果が高まるような、より適切な学習方法について研究を進める必要がある。

○ 全体の学習のスピードについて行けない消極的な児童への配慮について、更に研究を進める必要がある。

 

一人一人の個性を生かす社会科学習指導の実践

−体験的な学習活動を中心にして−

白沢村立糖沢小学校教諭 二階堂康男

 

一、研究主題設定の理由

(一) 今日的な教育の課題から

学習指導要領改訂の基本方針の中でも「個性を生かす教育」の重要性が唱えられており、今までの教師中心の画一的な授業を改め、児童一人一人の個性を生かす教育をめざしていかなければならないと考えた。

(二) 教科の特性から

社会科という教科は内容系教科と位置づけられており、子どもたちの発想、見方、考え方を重視することができる教科と言われている。このように、他の教科に比べ個性を生かす場面が多く、社会科では一人一人の個性を生かすことを大切にしていかなければならないと考えた。

(三) 社会科学習における問題点から

1 教師中心の授業が展開され、個性的な学習の取り組みが見られない。

2 学習課題に対する追究意欲が単元を通して持続しない。

3 単元の追究の仕方やまとめ方に対する見通しが立てられない。

(四) 原因

1 教師側から

(1) 教師側で作成した指導計画で、児童の願いや考えを生かしていない。

(2) 指導計画に、児童が活動する時間的ゆとりがない。

(3) 一人一人の社会科学習に対する取り組み方を十分把握していない。

2 児童側から

(1) 学習課題が自分のものとなっておらず、興味・関心と結びつかない。

(2) 調べ方(学習の仕方)がよくわからない。

(3) 自分なりの考えを文章などに表現するのが苦手である。

このようなことから、一人一人の個性を生かす社会科学習指導の在り方を授業を通して模索してみたいと考え、主題を設定した。

 

資料1 個性を生かす授業像

 

資料1 個性を生かす授業像

 

二、研究の仮設

学習過程を、つかむ、調べる、まとめる・広めるの三段階で構成し、それぞれの段階において体験的な学習活動を取り入れ、児童の積極的な活動の場を位置づけていけば、一人一人の個性をより生かしていくことができるであろう。

 

(一) 仮説についての説明

1「つかむ、調べる、まとめる。広めるの三段階」

一小単元一サイクルとして展開し、つかむ(課題把握)、調べる(課題追究)、まとめる・広める(まとめ・発展)の三つの段階で構成していくことである。

2「体験的な学習活動」

「体験的な学習活動」を広義に解釈し、「単に頭だけで学ぶのではなく、体で学ぶ学習」ととらえた。

3「個性を生かす」

「個性を生かす」とは「児童一人一人の見方・考え方、興味・関心、生活経験の違いを大切にしていくこと」ととらえた。

 

三、研究の計画 (略)

 

四、研究の概要

(一) めざす授業像

仮説をもとに今までの授業の在り方と比べて「個性を生かす授業」の在り方を考えた。(資料1)このような個性を生かす授業をめざして実践した。

(二) 体験的な学習活動を取り入れた実践

つかむ、調べる、まとめる・広めるの段階に、次のような体験的な学習活動を取り入れ、児童の積極的な活動の場を位置づけた。(資料2)

 

五、研究の実践と考察

 

 

 


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