教育福島0148号(1990年(H02)07月)-042page
教育センターから
Q&Aでつづる
教育相談の実施状況
−統計・事例から−
教育相談部
〈御案内〉
○申込み方法 電話等による予約制
○申込み先 県教育センター教育相談部TEL0245(53)3141 内線25〜28
○受付及び相談曜日・時間 来所相談 月〜金・午後 電話相談 月〜土・随時
教育センターにおける教育相談の実施状況を、統計と事例からQ&Aの形で紹介いたします。
Q 一年間の相談の数は、どの程度ありますか。
A 平成元年度、来所相談の件数では二百四十一件、延べでは千百九十一人でした。電話相談では九百九十二回の交信がありました。なお、対象別については表1をご覧ください。
Q 中学生や高校生についての相談が目立つようですが、どのような問題が一番多いのですか。
A 来所・電話共に、一番多いのが不登校に関する相談で来所相談全体の五十八・一パーセント、電話相談全体の六十七・五パーセントを占めていました。詳しくは、表2をご覧ください。
中でも、来所相談の場合、中・高校生を合わせて百九件になり、不登校全体の七十八パーセントを占めたことになります。
Q 「登校拒否」でなく「不登校」というのは、なぜですか。
A 始めは、「学校恐怖症」次に、「登校拒否症」と一般的に呼ばれてきました。しかし、現在では、「恐怖」もしくは「拒否」という言葉のみでは表現できないほどその症状が多様化しています。そこで当教育センターでは、「心理的要因によって登校できない、あるいはしないこと。そしてその指導援助に当たっては、特に心理的側面へのアプローチを重視する必要がある様態のこと」を「不登校」と定義しています。すなわち、欠席しているというその様態を中心にとらえているからです。
Q 不登校の原因としては、どんなことが考えられますか。
A 原因を考える前に、問題行動の発生を理解する手掛かりとして、素因と誘因ということから考えてみたいと思います。
素因 最も基になるもの(性格的なことや身体的なこと等)
誘因 引金となるもの(ストレスや友人・親・教師等との対人関係の問題、学業の不振等)
素因に誘因が引金となり、これらが複雑に絡み合って問題が発生すると考えらます。従って問題行動面の現象一つだけを取り出してかかわってみても、なかなか解決には結びつかないことが多いようです。
Q 相談した具体的な事例について説明していただけませんか。
表1 来所・電話における対象別相談数
相談対象 来所件数 電話回数 幼児 10 12 小学生 58 268 中学生 80 342 高校生 85 327 一般等 8 43 計 241 992
表2「不登校」における相談数
相談対象 来所件数 電話回数 小学生 30 203 中学生 57 273 高校生 52 187 全相談に対する割合(%) 58.1 67.5