教育福島0148号(1990年(H02)07月)-050page
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ふるさと探訪
県指定重要文化財(彫刻)
銅造阿弥陀如来及両脇侍立像
この三躯の像は、長野善光寺の像を模した、一光三尊形式の銅造善光寺式阿弥陀三尊である。
中尊は右手をあげ左手を垂れ、ともに第二・三指を伸ばした善光寺式阿弥陀如来の特徴的な印相を示し、両脇侍の観音・勢至は宝冠を戴き、腹前に両手で宝珠を抱く印を結んでいる。三尊とも細身で鎬だった衣文の稜線などには写実的表現がうかがえる。
十四世紀前半の制作とみられるが、本県に善光寺式三尊が数多く伝存している中で三尊具足するものとして貴重な遺品である。
所在地伊達郡桑折町新町43番地所有者宝積寺
県指定重要文化財(彫刻)
木造聖観音菩薩立像
この聖観音菩薩像は、桂材の一木造漆箔の立像で、像高は二三三・五センチメートルである。
頭体部を通して像の主材を両足下まで彫出し、内刳を施す。体幹部は太造りで厚い木取りを示す。
裳の衣摺の処理は的確で、折返し部の線条的な彫法、渦文を混え、脚部には同心円状にたたむU字形の衣文に小波をあしらいながら彫出している。
頭・体幹部の主要部が当初の彫り口をとどめて伝存しているなど、十世紀一木彫刻のもつ特色が十分にうかがわれる貴重な遺品である。
所在地福島市小倉寺字捨石七番地所有者大蔵寺
ふるさとの文化財
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