教育福島0150号(1990年(H02)10月)-019page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

・ 年金、退職金の法的制度についておおよそ理解できた。

また、将来の生活設計に役立てることができるものとなった。

・ 共済年金制度は頭から分からない制度と思っていたが、「共済年金の基礎知識」の資料等で分かりやすく説明されてよく理解できた。

 

(四) 講演四 資産の運用

・ 生活設計の経済面からのアプローチとして、一種の水先案内的講義で有意義であった。

これらを一つの契機としていろいろ自分なりに勉強、研究するきっかけができたと思う。

・ 定年後の退職金の使い道を細かく分かりやすく教えられ、何となく分かったような気がした。

今後の生活に生かしていきたいと思う。

・ 資産の運用等専門家の話を聞く機会があまりなかったので、この企画は大変よかったと思う。

・ お金にはあまり縁がなかった生活をしてきたので、資産運用とか金利等について考えたことがあまりなかったのでよい勉強になった。

これを機会にもっと真剣に考えてみたいと思っている。

 

三 今後の在り方

 

アンケート調査の結果を見ますと、参加者からは全体的にはかなり高い評価を得ておりますが、細部になると検討すべき点もあります。特に、会場数の増加並びに会場設定の方法については、今後の課題と考えております。

また、希望する講座内容をみますと、健康管理、年金制度に対する要望が特に強いため、今後もこれらを中心に引続き実施していきたいと考えています。

 

おわりに

 

以上ライフサイクルプラン講座の内容等について紹介しました。改善すべき点は改善し、より充実したものにしていこうと考えています。

最後になりましたが、高齢化社会の中でいかに生きるべきかという問題は、結局は個人の問題であります。言い換えますと、個人の考え方、姿勢が健やかで豊かな人生か否かということに大きな影響を与えてくると思われます。

このことを各人が念頭に置かれて講座に参加し、そして自己の生活設計を築くうえで、この講座が少しでも役に立つことができれば幸いであると考えています。

 

ライサイクルプラン講座(講演要旨)

六十歳からの生き方

千葉大学名誉教授 多湖輝氏

 

今日は、「六十歳からの生き方」という演題ですけれでも、一般的には、高齢化社会の抱えてる問題といいますか、その中でどう生きていくのがいいかというようなことで、私も実はまさにそういう年齢であります。私は昨年の春、千葉大学を辞めたわけですが、辞めてみて、この自由さというのは、たまりませんね。今まで私は大学にいて随分、勝手なことを言わせていただきましたけれども、それでも自分でいろいろと制約をつくって、これはやってはまずいんじゃないかと、いろんなことを考えました。

何だか教師をやっておりましても、あんまりさえなかったのですが、辞めてみましたら本当にいい気分であります。

しかし、こうして辞めてみまして、いよいよ私も高齢化社会の仲間入りかと思いましたら、周りにどうもあんまり元気のない人たちが多いんです。定年退職してしまうと、もう何かふぬけみたいになってしまうような人が多すざるので、それで私は「六十歳からの生き方」という本を書いたのです。そうしたらおかげさまで大変売れまして今、本屋さんでなかなか手に入らないぐらいの売れ方で、やはりそういうものを求めてる人が多かったんだと思いました。つまり今まで高齢化の問題を話題する時に、どうも暗い話が多すぎるんです。年金がこれしかありませんとか、そのような話ばかりですから。

そこで私は、そうではなくて、確かに健康も衰える、衰えてきますけれども、しかし、精神的な意味では元気に若くやっていけるんではないかと、私は心理学をやっておりましたので、そういう意味での励ましのエールを我々の仲間に送りたいという趣旨で書いたのであります。しかし、これがその受け入れられる素地というものが確かにあったと思うんです。今は、高齢化、高齢化ということが、盛んに言われるようになってまいりました。

しかしながら、高齢化社会というのは日本の場合非常に特徴的なことがあります。一つは、日本の高齢化社会というのは、急速に来るのであります。これはもう言い古されていることでありますが、去年の発表ですが、六十五歳以上の人たちが総人口の中で占める比率、これが十一・六パーセントです。去年の発表で、今年はどうなっていますか、もう少し変わっているかもしれませんけれども、これがスウェーデンは十七・七パーセント。イギリスが十

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。