教育福島0150号(1990年(H02)10月)-041page

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この城跡を桜の花で埋めつくす運動であった。植樹活動は春先の時季を選ぶため一年がかりの活動になったが、活動が進むにつれて小・中学生の参加もあって軌道に乗った。個人主義の強い今日、青年の参加を呼びかけても集まってくれない中で私たちの活動は微々たるものかもしれないが、自由な発想の中からこれからも町づくりに努力して行くつもりである。

川俣町ふるさとづくり実行委員会

堀川聡

2、「これは面白い」と思って参加して十年経った。私の心に火をつけた町内の先輩は、どうして十メートルもの松明を立てるのか毎晩論議を交わした。この姿をみて、何の期待も

なく戻ったこの須賀川もまだまだ捨てたものではないと思った。しかし、何年か後には祭も衰退し、松明の担ぎ手も減ってしまった。このような時、「松明をもりたてる会」が生まれた。少しずつ会員を増やし、青年団体、公民館、金融機関などが協力し、徐々に息を吹き返してきた。私たちも「松明あかし」の歴史について学習会を重ね、四百年の記念に目標を合わせて一年がかりの企画を立てた。当日は、音と光のページェントとして私たちが提唱した「音」の部分の「松明太鼓」が披露された。

祭は衛星放送で全国に生中継された。祭を通して市民とのネットワークも広がった。「まちづくりは人づくりからはじまる。若者が動くとき、まちは変わる」この言葉を肝に銘じて活動してきた。祭を後世に伝えることはもちろん、祭を契機に新しいまちづくりをめざしてこれからも精一杯活動したい。

松明をもりたてる会 篠沢栄一

 

三、成果と反省

(一) 青年が自ら、ふるさと学習、ふるさと運動を通して、地域における存在感を確たるものとし、社会の一員としての自覚が高められた。

(二) 他団体との連携・協力により幅広い活動がなされ、今後の活動の基礎となった。

(三) 青年が各世代との交流を持つことにより、豊かな社会性と地域の中で生きる自信を身につけることができた。

(四) 自分たちの住んでいる地域の歴史、文化に対する理解を深めるとともに、ふるさとを見直すことにより、ふるさとへの愛着心が高められた。

(五) 青年団体活動の活性化とリーダーの育成が図られた。

 

四、おわりに

「ふるさと」は自分が生まれ育ったところ。青年たちは自分を育んでくれた「ふるさと」を愛しながら、その現状を見つめ直し、「ふるさと」とともに心豊かに生きる道を見出そうとして努力しています。

県教育委員会では、ここに紹介した事業の成果を踏まえ、青年と地域づくりを結びつける継続的な活動を、今後も展開していく予定です。

 

表1 「ふるさと学習」の地区別実施概要

 

表1 「ふるさと学習」の地区別実施概要

 

表2 「ふるさと運動」の地区別実施概要

 

表2 「ふるさと運動」の地区別実施概要

 

 

 


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