教育福島0150号(1990年(H02)10月)-043page

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習を行っています。

実習内容は、一年生は浴衣の着装を半幅帯で文庫結び、ウール長着で名古屋帯のお太鼓まで、二年生は浴衣・ウール長着の着装と、名古屋帯で変わり結びまで、三年生はそれぞれの着装と、袋帯でふくら雀までを実習しています。さらに、一講座毎にテストを行い、合格証書を与え学習意欲を喚起しています。また、折りにふれて、立ち居振る舞いや挨拶の仕方等の指導も取り入れています。

外部講師による着装指導は、学習意欲の喚起、家政科の特色づけをねらいとして導入しましたが、指導者が外部の方ということで、生徒は新鮮な印象を持ち、また意欲的に取り組み、製作実習にも積極的な姿勢がみられるようになって来ました。また、将来は資格を取りたいという生徒も出ています。

今年度は、PTA総会等に於いて、学習成果を発表し、地城から高い評価を得ることができました。今後も一層充実させていきたいと思います。

 

自然・文化・人々と「触れ合う」体験学習の推進

県立郡山養護学校

 

本校には、手足や体幹に運動機能障害がある児童生徒が、小・中学部及び高等部合わせて二百余名在籍しており毎日、学習や訓練に励んでいます。

運動機能障害があるため行動に制約があり、社会生活経験の不足や対人関係の問題などが生じやすくなります。そこで本校では、自然や文化、社会の人々と出来るだけ多く接する機会を教育課程に位置づけ、体験を通しながら、社会性を豊かにし、たくましい児童生徒の育成を目ざした活動を数多く行っています。

意欲的な取り組みをみせている活動の例を次に紹介します。

小学部では、身近な地域社会での体験を重視し、自然公園での動植物の観察や工場見学、さらには買物学習等、一人一人の実態に応じた具体的な活動を行っています。

中学部では、県内の文化財に直接触れる学習や社会教育施設での研修等に力を入れています。

高等部では、同年代の高校生との交流を深める活動や社会自立を一層推進するための職場・施設実習等を行っています。

これからの活動は生活経験を豊かにし社会自立への自信となり、また、学校生活に変化をもたせ、新たな動機づけともなり、活気に満ちた学校に変わりつつあります。

 

思い出に残るキャンプファイヤー

 

思い出に残るキャンプファイヤー

 

社会参加を目指す楽しい学習活動を

県立いわき養護学校

 

本校は、小学部六十四名、中学部三十九名の児童生徒が通学している養護学校(精神薄弱)です。通学範囲は、いわき市全域で、障害の状態や居住地に応じて、スクールバスや他の交通機関を利用したりしての自力通学を原則としています。

小学部では、特に中学部の作業学習との関連で、栽培活動(稲作、豆・じゃがいも作り等)を通して収穫の楽しさを味わったり、縫製工場の裁断屑で足ふきマット織りなどを取り入れ、利用者の反響が作業意欲の育成に大きな力となっています。

中学部では、社会参加・自立を目指した作業学習の充実に努めています。たとえば、作業種目として、木工、工芸、家庭、栽培班等を設け、自己選択の趣旨を尊重する立場から、できるだけ生徒のニーズに応じたものになるよう配慮しています。また、重度・重複障害児に対しては、働きながら人と交わることの大切さを重視して、主体的な活動が展開しやすい作業種目の開発に努めています。

来年四月には、高等部の開設が予定されていることを踏まえ、今後は、近隣の小・中学校や地域の人たちなどとの交流の日常化に努めるとともに、職場実習の充実等を通して、心身に障害のある者とない者とが連帯して共に生きる、多様性における共存の社会の実現を目指す特色ある教育活動を推進していきたいと考えています。

 

マット作りの第1歩は布を細長く切ることから

 

マット作りの第1歩は布を細長く切ることから

 

 

 


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