教育福島0151号(1990年(H02)11月)-012page
活動カレンダー」を作成させ、活動のめやすとさせた。
中には、月の反省や来月の係へ引き継ぎたいことなども含め、自己の活動を振り返ったり、次の月の活動計画作成の材料となるようにした。
その結果、計画倒れになることなく、見通しをもってできるようになり、これまでほぼ一定の内容の単調な繰り返しだった係活動が、ポスター作りなどの広報活動やミニ集会といった活動にまで広がりをみせてきた。また、先月のカレンダーを参考にしながら計画を立てさせたところ前よりもより良い活動をめざすようになり、活動内容が発展してきた。その後、それを目につくところに貼ったところ、互いの活動状況を知り励ましたり、声を掛け合いながら活動を進めるようになってきた。
自分の係だけでなく、他の係の活動を知ることによって、来月の活動に意欲をもつとともに、各係が学級生活を楽しくするために頑張っていることも感じ取ることができたようである。
2) 活動における教師のかかわり
助言
これまでの活動を振り返ってみると、話合いは活発なのだが、大事な問題点を見過ごしたり、結論が出ずに紛糾することがたびたびあった。また、実践活動では何をどうしたらよいか分からずにいたり、自分たちの活動に自信がもてずに次第に不活発になっていったりする場面が見られた。
そこで、授業では、それぞれの場面をとらえて「方向の示唆」「賞賛」「励まし」を意図的に行った。
また、実際に当たっても、より良い活動になるように助言したり、自信や活動意欲をもたせるために励ましたりもした。
例えば、活動時間内において「次に○○をやりなさい」と教師がすべて指導することは、自主的な児童の育成にはならない。それよりも、「○○君は素晴らしいことをやっているね」「問題を整理すると○○となるね。では次に、そのことについて話し合ってみてはどうかな」というように、児童の考えを引き出し、十分に生かすために、必要なことを助言という形で指導していくことは児童の自主性を促すことになると考える。
実際の授業においては、意見をまとめるときや決定の段階で「方向の示唆」を与えてやることにより話合いが活発になった。しかし、助言の機会が遅れ、話合いに深まりが出ない場面もあった。助言は機会をとらえて行うことが重要である。
3) 活動を認め合う場の設定
授業中での認め合い
本時では、児童がお互いに認め合う場を二か所設定した。まず、それぞれの係が作成した新聞を見ながら、工夫したところやおもしろいところを自由に話し合わせた。そのうちに、友達が頑張っているんだということに気づいた者が出てきた。また、本時の終わりに「がんばった人」を計画委員に発表させた。活動や発表の様子などを観点をもって観察させ、その結果多くの友達を「がんばった」と賞賛することにより、お互いの認め合う姿勢を期待した。名前を呼ばれた者は満足感を味わい、自信をもってその後の活動を続け、呼ばれなかった者は一回でも発表しようと積極的に取り組むことが多くなった。
新聞作りの実践活動
発表を通してお互いを認めあう
実践例2) (第六学年)
(1) 活動名「係の内容を見直そう」
(2) 授業の構想
六年生になって係を設置するときに昨年の反省を踏まえ、みんなの役に立つ係を作り、各自の創意工夫を生かした活動を進めようということで話し合った。
しかし、学校行事や委員会の仕事などのために時間的制約を受け、進んで活動する係というより、今までの踏襲で進展のない係が目立つようになってきた。
係活動に対するマンネリ化を防ぎ、より意欲的に取り組ませるためには、他の学年や学校の活動の様子を紹介して比較、反省させることも有効である。係活動に生き生きと取り組み、自分たちの仕事の内容を理解してもらう働きかけも大切であるので、三つの視点から、それぞれの手立ても工夫していきたい。(資料3の活動計画参照)