教育福島0151号(1990年(H02)11月)-013page

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(3) 指導の観点と考察

1) 活動のイメージ化

反省用紙の活用

一か月の活動内容を見通し、反省用紙にその週の活動予定と毎日の反省を記述させるようにした。また、週末には週の反省をさせ、次週の計画を立てさせるようにした。

反省用紙を使うことにより、消極的な係の仕事が活性化し、積極的に活動に取り組む児童の姿が目立つようになった。

係活動実践の見学

他の学校の活動の様子をビデオで見せたり、話したりして、中学年や五年生の活動の様子を実際に見学させることにより、自分たちの活動への刺激になるように配慮した。

他の係や学級の活動の様子を見学することで、いろいろな係のおもしろいところや工夫しことを自分たちの係活動に取り入れたり、工夫したりして、別の係を作ったりするようになった。

話合いプリントの作成

各係で考え、工夫したことをプリントにまとめ、話合いに入る二日前までに一冊にまとめて配付した。各係に対して役に立つ考えや楽しいイベントなどを提案できるようにしたのであるが、他の係の仕事内容が分かるだけでなく、自分の係に対する考えを生かせるようになり、係活動への関心も高まってきた。

 

資料3 「係の内容を見直そう」活動計画

 

2) 活動における教師のかかわり

 

2) 活動における教師のかかわり

活動への援助

高学年の話合い活動や実践活動では、教師は、児童の活動を見守ることが大事であると思われる。教師のかかわり方として

・活動する時間や場を提供する。

・活動が停滞し、消極的になったときは、児童の相談にのり、適切な資料を提供したり、活動の方向を示唆したりする。

・児童の活動を朝や帰りの会などで、全員の前で認めてやる。

以上の三点に心がけた。

 

3) 活動を認め合う場の設定

活動内での認め合い

児童同士が互いに認め合ったり励まし合ったりする場面の設定に努めた結果、友達の意見に拍手をしたり、活動内容をほめるような意見やより良い内容にしようとする意見を出したりするようになった。実践活動においては、よい活動をした係に対し感謝したりする姿が見られるようになった。

 

真剣な表情で話し合い

 

真剣な表情で話し合い

 

五、成果と今後の課題

○成果

(1) 児童の実態に合った係活動を組織し、イメージ化を図る事前指導をていねいに行ったことなどから児童の自発的、自主的な活動が見られるようになった。

(2) 児童同士が互いに認め合い、励まし合うようになり、学級・学校内に活気がみなぎっている。

(3) 教師の指導が指示的なものから援助的な指導へと改善されてきた。

○今後の課題

(1) 学級の係活動で培われた諸能力を、児童会やその他の集団活動にどう発揮させていくか、その手だてと援助指導のあり方を究明する。

(2) 低学年においては、賞状やシールなどによる意欲づけだけでなく「活動が楽しいから」「役に立ててうれしいから」と、積極的に取り組もうとする意識を育てる。

 

 

 


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