教育福島0151号(1990年(H02)11月)-034page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

かして慣れさせてあげようと、あれこれ誘ってみるのですが、首を横に振るばかりでした。

他県から移転し、アパートの一室で姉弟と遊ぶ毎相を送っていたE子ちゃんにとって、幼稚園という所は、何かしらなじめない不安の多い場所としか受け取れなかったのでしょうか。

もう少し待ってみよう。…と気長に構えてはいたものの、一学期が過ぎ、二学期半ばになっても、相も変わらず園の門から去っていく母親の後ろ姿を泣きじゃくりながら、うらめしそうに見ているE子ちゃん。その後姿を見ると、あせるどころか、彼女の心の内を読めない自分に苛立たしささえ感じ始めていました。そんな私の気持ちが逆に、開こうとしていたE子ちゃんの心の扉を閉ざすはめになったのかもしれません。

しかし、一つだけ救われる思いだったのは、登園して来るE子ちゃんを見つけると、「先生、E子ちゃん来たよ」と言って迎えに行き、手をつないであげたり、どうにかしてE子ちゃんをなだめようとしている子どもたちの姿でした。

そんな子どもたちのやさしい心が、少しずつE子ちゃんの心の扉を開かせたようで、三学期になると、涙の量も少しずつ減ってきました。

やがて、年長組に進級し、新しく年少組を迎えたころから、毎朝笑顔で登園するようになったのです。絶対に入らなかったプールでは、歓声を上げて水のかけっこ。そして、お弁当はからっぽ…。

今では、一年前の涙など想像もつかないぐらいになりました。

E子ちゃんとのこの一年半、担任としてのかかわり方はどうであっただろうか。あれこれおもいめぐらせてみると、反省させられることが多くあけます。絶対に子どもを責めてはいけないことや、子どもを信じて待つゆとりを持つことなど、分かりきったこととして受け止めていたことを、改めて自分に言い聞かせております。

今日もまた、E子ちゃんは、クラスのみんなと、ままごとに、運動会の練習にと大張り切り。お迎えのお母さんの目にも露の光を見ることのあるこの頃です。

(双葉町立双葉幼稚園教諭)

 

平成三年度 文部省

教育改革モニター募集

文部省では左記のとおり「教育改革モニター」を募集しています。

多くの方々の応募をお願いいたします。

一、題旨

教育改革に関する諸施策を実施するにあたり、広く一般国民から、意見、要望等を聴き、諸施策の立案・検討・具体化に反映させます。

二、仕事

教育改革モニターには、次の仕事を行っていただきます。

臨時教育審議会の答申に基づき、具体化しようとする教育改革に関する施策のうち文部省から依頼するテーマについて、教育改革モニターの周辺、地域(家庭、近隣、勤務先等)の人々の意見等も聴取の上、教育改革モニターとしての意見等をまとめ文書によって提出していただきます。

三、募集人員等

五百人(全国) 依頼期間 二年

四、応募資格

教育改革について関心があり、教育改革モニターとして仕事に熱意をもっている年齢二十歳以上の方です。

ただし、次の方は応募できません。

1) 国会議員及び地方公共団体の議会の議員

2) 常勤の国家公務員及び地方公務員(ただし、校長及び教員は応募できます。)

3) 行政相談委員法による行政相談員

五、謝礼等

謝礼は、文部省からお願いしたテーマについて御意見を提出していただいた場合は、記念品をお贈りします。また、文部広報、その他の広報資料を発行の都度お送りします。

六、申込先

居住地の都道府県教育委員会の広報主管課(〒960 福島市杉妻町二番十六号 福島県教育庁総務課広報係)

七、申込み締切日

平成三年二月四日(月)・(郵送の場合は当日消印有効)

八、「教育改革モニター申込書」用紙の請求

所定の「教育改革モニター申込書」は、前記「六、申込先」で、直接受け取るか又は六十二円切手をはった返信用封箇(あて先明記)を同封して請求してください。

九、選考結果

平成三年度当初に文部省で決定し、直接本人にお知らせする予定です。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。