教育福島0151号(1990年(H02)11月)-049page

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は否めない。このことも配慮しつつ、教育課程単位計画を作成した。

2) 家政科の教育課程の編成

編成の基本方針と主な改善点は次のとおりである。

ア 普通教科・科目の履修単位数を今までより増やす。

イ 生徒の進路希望に対応して、また、生徒の興味・関心等により専門科目の学習を深めることができるよう、三年次に選択科目を設ける。

ウ 家庭に関する科目についての改善点は、新学習指導要領や生徒の興味・関心を踏まえ、時代にマッチした科目として、「家庭情報処理」と「家庭課題研究」を履修させるようにしたことである。

3) 保育科の教育課程の編成

編成の基本方針と主な改善点は次のとおりである。

ア 一年次には保育科に対する意識を高めることに重きをおく。

イ 二年次以降は保母試験と保育所実習に対応するため、専門科目に重点を置くように配慮する。

ウ 平成元年度から新科目の「家庭課題研究」を設定した。「家庭課題研究」の履修をとおして、生徒自身が主体的に活動し、創造的な学習態度や問題解決能力を養うことをねらいとした。

 

研究実践関連図

 

3、学習指導法の工夫・改善

 

3、学習指導法の工夫・改善

 

昭和六十二・六十三年度の二回の意識調査の結果によると、「授業がわからない」、「十分理解できないうちに進んでしまう」という理由によって不得意科目が生じている場合が多い。これまで、「本校の生徒はやればできるはずだから」と生徒の側にだけ努力と精進を要求していた傾向はなかっただろうか。このような反省のもとに、生徒の個性の伸長を図るための指導法の改善をめざして、まず、各教科で「教材の精選」と「形成的評価」に取り組むことにした。

1) 教材の精選

生徒の学力の実態に対応して、どのような単元(教材・題材)を選ぶか、また、その単元の目標分析をどう行い、指導計画をどのように組み立てていくかが学習意欲を高めるポイントのひとつでありそれが形成的評価のポイントを検討する上でも重要な項目になってくるものと思われる。本校では、生徒の学力の実態に対応して、教材の精選を行う上で、次の三つを基準とした。各教科においてこの基準を基に、教材の精選に取り組んだ。

〔教材精選の基準〕

ア 生徒一人一人に基礎・基本の学力を習得させることに重点をおく。

イ 基礎・基本の学力の上にたって、生徒一人一人の学力の実態に応じた指導をすることにより、学力の伸長を図る。

ウ 学習に対する興味・関心を育て学習意欲を喚起する。

2) 形成的評価

まず、各教科で精選した教材に基づいて、形成的評価の観点を検討し、そのための評価方法を工夫することからはじめた。

昭和六十三年度は、まだ評価するだけの段階にとどまっており、評価したものを次の指導に生かすところまで到達しない教科もみられた。また、評価のために時間がかかりすぎるという反省もあった。

平成元年度は「普段着でできる形成的評価」をめざし、かつ、評価後の指導にウエイトをおいて、研究を進めた。またどちらかというと、認知面の評価にかたよりすぎていたので、生徒の興味・関心を呼び起こし、主体的・積極的に学ぼうとする学習意欲をいかに高めるかという、情意面の指導のための評価にも取り組むことにした。

 

4、学業指導・進路指導の充実

昭和六十二年度に全校生を対象にアンケート調査を実施したところ、自宅学習をする生徒が少ない。自分の将来の目標を決めて学習している生徒が少ない、学習と部活動の両立がむずかしいなどがあきらかになった。そこでロングホームルームを活用し、進路意識を培い、学力向上を促すことをねらいとして研究することにした。学習指導要領の「ホームルームで取り扱う内容」に示されている「学業生活の在り方に関すること」と「進路の適切な選択決定に関すること」に力点を置き、ホームルーム年間指導計画の中にこれらを必修テーマとして盛り込み、さら

 

 

 


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