教育福島0151号(1990年(H02)11月)-050page

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に各学年ごとにメインテーマを設定し実践した。また、早期の進路指導の充実の必要性から一学年の早い時期の宿泊を伴う学業指導を計画し、平成元年度の夏休み及び冬休みに実施した。

 

三、まとめ

昭和六十二年度に全校生を対象に実施した「学習と進路に関する意識調査」から出発したこの指定研究もその成果をまとめることができた。

過去を踏まえた上での、この二年間の教師の取り組みに対し、生徒たちが「何か」を感じ、自分たちが「今、しなければならないのは何か」に気づき「とにかくやろう!」という気持ちを持った生徒が各クラスの中に「少なからずでてきている」ということが手ごたえとして感じられる。この小さな点も、やがて大きな波紋となって広がりを見せるだろうと大きな期待を寄せているところである。

今後とも、この研究実践で得られた成果を基に、教師と生徒及び学科間の枠を越えての生徒相互の望ましい人間関係を保ちながら、生徒一人一人が充実した学校生活を送り、自己実現を図って社会人としての資質を身につけられるような指導を推進していきたい。

 

コンピュータ等を活用しての各教科における指導内容及び指導方法の改善について

−県立郡山商業高等学校−

 

一、はじめに

県立郡山商業高校は、昭和六十三年四月に、県教育委員会より「情報処理教育」に関する研究指定を受けた。

高等学校教育課の指導のもとに学校あげての研究実践を進め、去る平成元年十一月二十八日に研究発表会を開き、二年間にわたる研究の成果を披露することができた。

発表会は、県内外から百七名の参加を得て、盛会のうちに終了することができた。参加者はすべての教科の先生方に及び、教育現場におけるコンピュータに対する関心の高さを今さらのごとく感じさせるものとなった。

以下、本研究実践の概要について報告する。

 

二、研究主題の設定と研究目標

標記の研究主題は、昭和六十年二月の理科教育及び産業教育審議会の答申及び昭和六十二年十二月に出された教育課程審議会答申の内容と基本的に一致するものであり、新学習指導要領の趣旨を踏まえたものでもある。

即ち、ますます進展する高度情報化社会にあって、「主体的に対応できる能力の育成」及び「教育の手段としてのコンピュータ等の活用」という二つの柱を基にして研究実践を進めることにした。

本校は、専門学科としての情報処理科を設置する商業高校であり、ある程度の情報処理機器は整えられている。このメリットを最大限に生かし全教科にわたって研究実践を行うこととし、次の五つを具体的な研究目標とした。

(1) すべての学科(商業科・情報処理科・事務科)の生徒について、コンピュータリテラシーの育成のための研究を行う。

(2) 専門学科としての情報処理科の指導内容については、より高度で幅の広い情報処理技術・技能を養うための研究を行う。

(3) すべての教科・科目において、その目標・内容に応じて、パソコン等コンピュータの活用を図るための研究を進める。

(4) 各教科・科目相互の関連を図るとともに、生徒の理解を助け、自発的学習を支援し、思考力を鍛え、創造力を育成することを目的とした学習過程の構造化に努める。

(5) 学校の経営管理にコンピュータを活用する(CMI)研究も進める。

 

三、研究組織

この研究実践は全教科で進めることとし、商業科は情報技術班・言語教育班・会計実践班・商業実践班の四つ、普通教科はそれぞれの教科を中心に七つに分け、計十一の班で分担して行った。

 

四、研究概要

各研究班で行った仮説の設定から結果の分析と評価まで、研究実践の内容のすべてを述べることは紙面の都合でできない。ここでは、実際に行ったことを略記するにとどめたい。

1、情報技術班

1) CAI作成支援ソフト(オーサリングシステム--プロシードと命名した。)の自力開発

2) プロシードにより作成した「ハードウェア」に関するCAIソフトによる試行授業の展開と分析評価

3) 他の研究班の支援

2、言語教育班

1) ポケコンを有効に使って、アルゴリズムの考えを短期間で養成する授業の展開とその分析評価

2)三言語指導の模索(BASIC・COBOL・CASL)

 

 

 


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