教育福島0151号(1990年(H02)11月)-051page

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3) 自己の能力に合わせて、自学自習のできるテキストの編纂

4) 他の研究班の支援

3、会計実践班

取引企業に製造業を導入し、原価計算を取り扱う総合実践の体系づくり

4、商業実践班

流通経済の総合実践を指向しつつ、基礎基本を重視し考える実践の模索

5、国語科班

支援ソフト(プロシード)で国語科教師手作りのCAIソフト「漢文」による試行授業の実施と分析

6、社会科班

BASIC言語により、社会科教師のチームワーク作業で作ったコースウェアによる授業の実施と分析

7、数学科班

科内で作成したBASICによるソフト(各種関数のグラフ)での授業の実施と市販ソフトによる指導と分析評価

8、理科班

支援ソフト(プロシード)による「遺伝」の画面作りと、フレキシブル・ディスクの化学的処理による視覚化

9、保体科班

他校で作られたソフトを一部改良して、それを用いたスポーツテストの処理(CMI)

10、芸術科班(書道)

イメージスキャナと電子OHPを駆使しての試行授業の実施と分析評価

11、英語科班

支援ソフト(プロシード)で作った「話法」に関する英語教材の画面作り

 

「漢文」のCAIソフトの一画面

 

社会科で作ったコースウェアの画面の一部

 

社会科で作ったコースウェアの画面の一部

 

「書道」のイメージスキャナによる一画面

 

「書道」のイメージスキャナによる一画面

 

五、研究の成果と今後の課題

 

五、研究の成果と今後の課題

本研究の成果と今後の課題についてまとめてみると次のとおりである。

(1) 「全教科におけるコンピュータ等の活用」が本研究実践の中心的テーマであったが、それぞれの教科で実現できたことは画期的なことであった。これまでコンピュータに無縁であった教科においてもコンピュータと教育との発展的なかかわりの端緒となりえたことは大きな前進であった。

(2) 普通教科と情報処理科間の交流は頻繁にもたれ、それぞれのノウハウを分かち合い補強し合うことで、よりよい教材を生みだすことができた。

(3) 学科・学年を問わず生徒達には、コンピュータを授業で使う一つの道具として喜んで受け入れている様子が見られ、無理なくコンピュータリテラシーを育てることができた。

(4) CAI教材を使った授業と使わなかった授業では、生徒の理解度、定着度において明らかな違いが見られた。CAIによる教科指導は万能とは云えないが、多くの場面において無限の可能性を秘めていることは間違いない。

(5) よく準備された授業ほどよい結果をもたらすが、CAI教材による授業にあっては特にしかりである。教師の自己研修を含め、周到な計画と準備がすべてを左右する。

(6) 教材用ソフトは、当該教科担当の教師が作って使用するものこそ最良のものとなる。専門のコースウェアはその専門の人にしか作れない。市販ソフトでは限界がある。

(7) 百点満点のソフトというものはあり得ない。BASICを知らない人にも容易に改良できるソフトこそが良いソフトであると云える。

 

 

 


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