教育福島0151号(1990年(H02)11月)-056page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

教育ひと口メモ

単位制課程

高等学校教育課

 

1 単位制課程

現在、高等学校には全日制課程・定時制課程・通信制課程が置かれており、その中に普通科、農業科、工業科、商業科等の学科があります。一般に、課程や学科等の種類が異なっても高等学校の場合には学年制をとっているので、在籍する学年で、ある一定の単位を修得しなければ進級できなくなります。

しかし、昭和六十三年四月から学年による教育課程の区分を設けない、定時制課程・通信制課程の特別な形態として、単位制課程の制度が設けられることになりました。単位制課程は、生涯学習の観点から学習歴や学習環境が多様な生徒に、広く高等学校教育の機会の確保を図るとともに、高等学校教育の多様化・弾力化に資することをねらいとしたものです。

単位制課程は、学年の区分を設けないため生徒が自己の学習計画にもとづいた多様な教育を受けることのできるものであり、また、夜間部の外に昼間部を設置するなど、多くの点でこれまでの高等学校とは考え方や履修の方法が異なります。

2 卒業を目的とする生徒のために

(1) 【学年による教育課程の区分を設けない「単位制による過程」】

単位制程になると「学年」とか「進級」という考え方そのものがなくなります。その年次で何単位履修・習得したかは個人ごとの異なります。

(2) 【多様な科目の設置等】

単位制過程では高等学校教育の機会に対する多様な要請に応え、履修形態の多様化・弾力化を図るため、多様な科目の開設に努めるとともに、科目の開設方法については複数の時間帯または特定の時期における授業の実施その他の措置が講じられております。

(3) 【各自の努力による学習成果を習得単位として認定】

次のような学習の成果が修得単位として認定されます。

1) かつて在籍した高校等において修得した科目

2) 大学入学資格検定の合格科目

3) 専修学校等の技能教育施設等との技能連携による学習成果

(4) 【八十単位を修得すれば三年で卒業】

八十単位以上が認定されれば三年で卒業することもできます。

(5) 【入学及び卒業の時期の弾力化】

これまで、高等学校の入学及び卒業の時期は、四月及び三月となっていましたが、単位制課程では多様な生徒を受け入れるために学期の区分に従い、教育上支障がない場合には九月及び八月の入学又は卒業も可能になります。

3 卒業を目的としない生徒のために

(1)【生涯教育機関の一つとして】

社会の変化に対応し、職業能力の向上あるいは自分自身の啓発、向上を目的として学習しようとする社会人で、卒業を目的としない生徒を一部科目履修生として受け入れます。

(2)【一部科目履修生の単位の認定】

一部科目履修生にはその科目の単位修得が認定されます。更に、一部科目履修生が、卒業目的として入学をした場合には、卒業に必要な八十単位の一部として認定されます。

4 単位制高校の開設状況

本県では単位制課程が平成三年四月から安積第二高等学校に開設されます。東北では岩手県立杜陵高校、宮城県立貞山高校、また、全国では九県十三校で開設され、さらに平成三年度には東京都をはじめとして、六都県で開設が予定されます。

5 二工学期制を採用するとともに、場合によっては単位が分割認定されることもあります。

2) 「普通授業方式十通信制方式」を取り入れて、一年間で三十単位の修得が可能になり、三年間で卒業ができます。

3) 昼間部と夜間部の二部制で自分の好きな時間帯が選べます。

4) 二年次からは自分の学習計画に従って好きな科目を選び、自分なりの時間のもとに学習することができます。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。