教育福島0152号(1991年(H03)01月)-012page

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メージをふくらませるためには、実際に人物の役割を設定し劇のような手法を取り入れることが有効であると考えた。人物と人物、人物と事物の距離感、表情、しぐさ、動き等についても話し合わなければならない必然性が生じ、文章を読んだだけでは全く気付かなかったことを発見したり、浅かった読みが修正されたりしながら学習が進められるよう配慮した。ここまでが理解、ここから表現という境界はなく、理解しつつ表現し、表現しながら考えるという相互交流が活発になる過程で、両者が有機的に結び付いていくものと考えた。

 

資料4 表現と理解の関連を図った音読自己評価カード

教材分析表 自己評価カード

(五) 読みを高める自己評価

 

(五) 読みを高める自己評価

自分なりに理解したことを生かしながら、めあてをもって意識して音読し、それについて反省をするための自己評価を取り入れた。評価項目は、毎時間の理解事項と直結する表現部分に焦点をあてたものとなるようにした。(資料4)毎時間、このような評価をくり返すことにより、意識して文章を読もうとする態度が育つとともに、友達の読みと相互評価する際にもそれぞれが生かされ、聞く耳も育ってくるものと考えた。

(六) 授業実践例

<三年・つり橋わたれ>

1) 指導の実際・1

【音読の基礎練習】

教師による自作教材文により、

○ からかうような読み方を工夫すること

○ 様子を表す言葉をていねいに読むこと

の二つの事を中心に表現技能の向上をねらった。

このような学習は、理解したことをなかなか表現に結びつけられない下位の児童の基礎技能を高めるために、大変有効であった。

2) 指導の実際・2

つり橋やトッコの様子を生き生きとイメージ化させるために、川やつり橋やトッコの様子を表す言葉を手がかりにして劇化させ、場面の様子がわかるように音読させる指導。

◎ 動作化を生かして正しく音読させる場面

事前テストでは、"ギュッギュと"のように読点を意識しないで音読する児童が多かったが、橋や川の様子のイメージをふくらませ、せまくてゆれる橋をゆっくり歩く動作化をさせることにより、"ギュッ、ギュッと"を、たっぷりと区切って音読できるようになった。

◎ 劇化により、「はやす」読み方を工夫させる場面

せまくて長いつり橋の向こう側の山の子たちにはやされるトッコの気持ちを理解させるために、教室内につり橋と川を想定し、劇化を取り入れながら学習を進めていった。

初めは大声を出すだけの山の子達の動作化であったが、『はやす』の意味、トッコと山の子達との距離感を確認すると、遠くに向かってからかうような音読の仕方へと変化していった。

劇化を取り入れると、場面の状況がよくわかり具体的にイメージ化できるので、人物の気持ちがストレートに読み声に結び付けられ効果的であった。

◎ 観点を意識してまとめの音読をする場面

本時のまとめで、"ギュッ、ギュッと"の読点を意識した読み方と、「やあい、やあい。」と「はやす」読み方の二つを評価の項目としておこし、自己評価させた。どの児

 

 

 


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