教育福島0152号(1991年(H03)01月)-042page

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教育センターから

 

情報活用能力の育成に関する研究

−第2年次−

 

科学技術教育部

 

はじめに

県教育センター科学技術教育部では、二十一世紀を展望し、「これからの社会に生きる者として、自己教育力はもとより、この源となる情報活用能力を十分身につけることは、人間本来の生き方の探求や社会の発展のための原動力になるものとして極めて重要である。」との視点から、児童生徒が情報を主体的に活用できる能力を育成する方策を探るため、昭和六十三年度から二年計画により本題を設定し、研究に取り組んだ。

研究の第一年次は、情報活用能力の育成に関する理論研究と到達目標の設定及び児童生徒の情報活用に関する基礎調査を行い、第二年次の研究に向けて事前調査及び事後調査のための評定尺度1)・2)(研究紀要第八十号参照)の作成と育成プロセス(モデル)の作成、並びにその試行・検証を行った。

研究の第二年次は、第一年次の研究成果を基に、評定尺度1)・2)の補正、教育実践内容の焦点化、実践に即した育成プロセスの作成等を行うとともに、研究協力校(小・中・高校各二校)に依頼して実践研究を行った。

以下に第二年次の小・中・高等学校における研究概要を述べる。

 

一、 小学校における研究実践概要

 

(一) 事前調査と育成目標

研究協力校の五年生および六年生を対象に評定尺度1)(情報活用能力の育成状態と教師観察によって評価するものでA〜Lの十二要素から成る)および評定尺度2)(評定尺度1)を基に作られた児童生徒の自己評価票)により、事前調査を実施した。調査の結果、いずれも情報のA収集、B選択、C処理、D創造、E伝達およびK情報手段の特徴、L操作等の各要素が他より低く評価された。

このため、五年生では「情報の処理と創造力」を高めることを目標に、社会科の指導を通した育成プロセスを構想して研究実践を行い、六年生では、算数科の指導を通して「情報の収集・選択・処理能力」を高める研究実践を行うことにした。

(二) 研究実践と事後調査結果

五年生(社会)では、特に児童の主体性を重視してグループ編成するとともに、パソコンを道具として学習課題のための資料検索の場面で活用させた。実践の結果、目標とする要素はすべて向上した。さらに他の要素も向上し、評定尺度2)の要素のうち十要素が向上した。また、六年生(算数)では、授業の展開が複線型であるため、チェック機能をいくつか設ける等、個別化を念頭に置きながら、図に示す育成プロセスを基に研究をすすめた。その結果、十二要素のうち十一要素が向上した。

 

情報活用能力の育成プロセス(6年算数)

 

 

 

 


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