教育福島0152号(1991年(H03)01月)-047page

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性を感じ取り、教師の指導とあいまって、学習への取り組みや発表態度も主体的になってきています。

また、原町市在住の外国人や海外生活経験者との交歓により、生徒が外国を身近に感じ、外国人との対話の抵抗感も薄れ、修学旅行などの際は積極的に話しかける生徒が多くなってきました。特に、AETアリソン先生との交歓は教師と生徒という関係を越え、人間同士として理解を深め合い、国際的視野に立つ生徒を育成する上で役立っています。

研究は、国際交流・理解教育の基盤づくりとして取り組んできましたが、これを手がかりとして、さらに実践研究を深めてきたいと思います。

 

わたしの学校 ぼくらの活動

 

どの学校、幼稚園にも、特色ある活動が見られるものです。

ここでは、それらの活動を助ける教育委員会の事業と幼・小・中合同で運動会に取り組んでいる幼稚園の活動例を紹介します。

 

自然に親しみ豊かな心をはぐくむ社会教育施設

富岡町教育委員会

 

冷気、身にしむ晩秋の早朝、「シュシュッ」と耳に入るかすかな鳴き声が、広大な木立ちの奥から聞こえてきます。日本鹿の鳴き声です。ここは町営の社会教育施設である野外活動センター、愛称「グリーン・フィールド富岡」の一角です。

六万平方メートルの広さを誇る当所は、東に潮騒聞こえる大海原を眼下に見、西に阿武隈の山々を真近に仰ぎ見る静寂・景勝の高台にあります。また厳しい潮風に耐え抜き、歴史の重みを感じさせる黒松、赤松の大木をはじめ、楢や桜が自生する緑豊かな自然にも恵まれています。この掛け替えのない自然の中に「自然と人間のふれあい」、「野外体験による豊かな情操」、「個性的な人間性」等の育成を図る宿泊施設、アスレチックスやキャンプ等々の施設があります。開設以来、町内はもとより、県内外の子供会や各種青少年団体から広く利用されています。特に子供たちが恵まれた自然の中で喜々として仲間と遊ぶ姿を見るとき、関係者の喜びはひとしおです。

 

グリーン・フィールド富岡での楽しいひととき

グリーン・フィールド富岡での楽しいひととき

 

幼・小・中合同でがんばった大運動会

相馬市立磯部幼稚園

 

本園は、相馬市の東部、太平洋に面した丘の上に位置しています。

園児は、さわやかな潮風を胸いっぱい吸い、恵まれた大自然の中ですくすくと育っています。

九月九日は、恒例の幼・小・中合同の運動会でした。当日の朝、いたずらな雨が降り、校庭は水びたし。とても運動会ができる状態ではありませんでしたが、子供たちの情熱と日中晴れ間が出るという天気予報を信じて校庭の整地に取りかかりました。穴を掘ってバケツで水を吸み出す中学生。雑布で水を吸い取る小学生。一輪車や軽トラックで砂を運ぶお父さん、お母さん。先生方もいっしょうけんめい。みんなの協力で、どうにか一時間後に、運動会ができる状態になりました。

 

はじめは心配顔で見ていた園児も大喜び。中学生のお兄さん、お姉さんたちの係の指示に従って、親子ダンス、団体競技と、みんなの大声援を受けてがんばり、楽しく演技することができました。

力を合わせて整地した小学校の校庭で、力いっぱい演技した園児たちが、一回り大きくなったように感じられました。

 

「さあ、お母さんがんばろう!」

「さあ、お母さんがんばろう!」

 

 

 


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