教育福島0153号(1991年(H03)02月)-027page
資料を準備するとともに写真・図版・統計等の活用について工夫する。
三 学習指導法の研究と授業の充実に努める
(一) 生徒の能力・適性・進路等がますます多様化しているので、指導の個別化、学習の個性化の観点から、生徒を積極的に学習に参加させる指導方法を工夫し、その実践に努める。その際、資料や教育機器などの活用場面を工夫し、生徒の理解や思考が一層深まるような指導法の改善に努める。
また、評価の在り方は特に情意面の評価について研究を深める。
四 必修科目と選択科目の関連を図る
(一) 心修科目を基礎とし選択科目及び選択科目相互の有機的関連を一層図るよう研究を深める。
(二) 各科目とも生徒の実態に即し、身近で具体的な事象を教材化して思考力や判断力を養う。
数学
学習指導要領の趣旨を踏まえ、基礎的な知識や技能の習得を図るとともに、基本的な概念や原理・法則の理解を深め、数学的な考え方や処理の有用性を知らせ、数学を活用する能力の育成と学力の向上を図るため、次のことに努力する必要がある。
一 生徒の実態に応じて教材を精選し学習内容の焦点化を図る
(一) 生徒の実態に応じた適切な科目を履修させるとともに、適切な教科書を採択する。
(二) 生徒の実態に応じて学習内容を精選し、教材を焦点化することにより、ゆとりある充実した学習をさせるよう努める。この際、内容相互の関連に留意し、学習内容の系統性に配慮して教材の配列を効果的なものとする。
二 学習指導法や評価の在り方を改善し、生徒の学習意欲を高め、基礎学力の一層の定着を図るとともに、発展的学習を促す
(一) 具体的に学習目標を設定し、課題意識を明確にさせ、その達成の度合いに応じて個人内評価や情意面の評価を取り入れ、学習への意欲を喚起する。
(二) 指導の個別化を十分に図ることにより、自主的に学習する態度を育成するとともに、生徒一人一人に補充、深化、発展的学習を促し、基礎学力の定着とともに、個に応じた学力の伸長を図る。
(三) 学習活動に作業を取り入れたり、コンピュータや教育機器を活用したりすることなどにより、新たな視点から考えさせ、創造性を養うよう努める。
三 数学的な考え方、処理の仕方を身に付けさせる
(一) 基礎的な知識や技能の習得を図るとともに、基本的な概念や原理、法則の理解を深めて、これらを問題解決に生かすようにする。
(二) いくつかの領域の事項を、より高い次元から見直し、総合化、体系化していく数学的な手法を理解させるとともに、帰納、類推、演えきなどの論理を理解させるよう努める。
(三) 具体的な事象が、理想化、抽象化条件付け等がなされて数学の舞台にのせられ、数学を活用することによって処理され、解決される。このことを身のまわりの多くの具体例を通して理解させる。
四 指導の内容・方法について十分に中学校との関連付けを図る
(一) 教材ごとに、中学校における学習内容について十分理解し、中学校数学との関連付けを図る。
高等学校の学習内容との関連から、内容や時期について、生徒の実態や教材に即して適切な方法を講じる。
(二) 特に、中学校数学の補充・定着を図る指導を効果的なものとするため、校内の教科担当者の十分な共通理解を図る。
理科
学習指導要領の趣旨を踏まえ、高等学校理科の目標を達成するため、次の事項について努力することが望まれる。
一 各科目の目標を正しく促え、生徒の実態に即した教材の精選と構造化を図り、より具体的な指導計画の作成に努める
(一) 指導計画の作成に当たっては、次の点に努める。
1) 観察、実験などを行い、自然を探究する能力と態度を育成する。
2) 自然の事物・現象についての基本的な科学概念の理解を図る。
3) 多様な教材と組み合せて、適宜コンピュータの活用を図る。
(二) 各科目の学習内容の精選と構造化に当たっては、生徒の学習到達状況を的確に把握し、更に、中学理科と高校の理科との関連を十分に配慮して行うよう努める。
(三) 科目の履修に当たっては、幅広い選択が可能なように、多様な教育課程の類型を設けるとともに、生徒の実態を踏まえた教科書の選択をするよう努める。
二 生徒の能力・適性等の多様化に対応するため、学習指導法の改善に努める