教育福島0154号(1991年(H03)04月)-008page
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特集1
児童生徒主体の道徳教育の推進
−義務教育課−
はじめに
各学校においては、新学習指導要領の目指している道徳教育の目標やねらいの具現に向けて積極的に取り組んでいるところである。今後はそれを一層深め道徳教育の質的改善を図っていくことが重要な課題である。
本来、道徳教育は、教師と児童生徒が一緒になって人間の生き方について考えていくものである。そのためには、学校の教育活動全体を通じて、豊かな心を育てるための場や機会を設定していくことが大切になる。
さらに、固定的で道徳的価値を教えこもうとする傾向の強い道徳の時間の指導から児童生徒が自らの力で自らの内に道徳的価値を形成していく道徳の時間に改善していくことが必要である。
つまり、今、各学校に求められることは、児童生徒主体の道徳教育であり、児童生徒を中心にすえた道徳の授業の創造である。
一、道徳教育見直しの観点
各学校とも道徳教育の全体計画や年間指導計画の作成に努めているが、今回の学習指導要領の本旨から見て、必ずしも十分とは言えない状況にある。
したがって次の観点から指導計画や学習指導を見直すことが道徳教育の充実につながると考える。
(1) 地域や学校がかかえている教育課題に正面から取り組んだ指導計画になっているか。
(2) 内面に根ざした豊かな道徳性の育成につながる体験的活動の場や機会を取り入れた指導計画になっているか。
(3) 学校と地域社会の果たす役割、分担を明らかにした指導計画になっているか。
(4) 各教科及び特別活動との関連が明確にされた指導計画になっているか。
(5) 道徳の時間が教師の一方的な押しつけや一部の児童生徒を対象とした授業になっていないか。
(6) 指導過程が固定化したり、児童生徒の実態とかけはなれた指導になっていないか。
次に、道徳教育の改善策として、学級における指導計画と道徳の時間の工夫について述べる。
学級における指導計画(N校の形式)
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二、学級における指導計画の工夫
よい授業はよい計画から生まれる。
道徳の時間の指導が効果を発揮するためには、道徳の時間の内容や方法が日々の学級生活の中で具体化される必要がある。そのためには学級における指導計画の充実を図ること
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