教育福島0154号(1991年(H03)04月)-013page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

研究副主題

 

基本的な生活習慣の定着を図る道徳教育のあり方

耶麻郡北塩原村立第一中学校

 

一、副主題設定の理由

明るく純朴な生徒が多いが、中学校三年間を、同じ学級、同じ顔ぶれで過ごすため、生活がなれ合いになりやすく、約束やきまりに対して一貫性や厳しさがない。そのため基本的な生活習慣についての共通理解とその指導が特に大切になってくる。

 

二、研究実践の概要

1、地域性を考慮した指導計画作成

「全体計画」を改善し、「学級における指導計画」を作成したことによって、本校における道徳教育がより一貫したものになり、同一歩調で生徒の指導に当たることができた。

 

2、道徳の時間の改善と充実

教師の授業への取り組みが、より計画的・組織的になり、一・二年生は葛藤資料を基にした話し合い、三年生は役割演技を取り入れるなど、生徒同士の働きかけが主体的になされ、自己をみつめさせる指導方法を工夫した結果、自分の考えをはっきり言える生徒、自主的に発表する生徒、「道徳の時間が楽しくなった。」と言う生徒などが増えてきた。

 

3、道徳的実践の指導

本校では、「道徳的実践力を高める場」と「道徳的実践の場」を車の両輪のように設定し、両面から道徳教育を推進してきた。「本校で取り組む基本的な生活習慣」として、左図のように、「礼儀」「時間」「話し合い」「役割と責任」の四点に的を絞り、道徳の時間及び道徳的実践の場での集中した指導を実践してきた。

(1) 挨拶の必要性の指導として「挨拶はなぜ大切なのか。」を、理屈ではなく、感覚的に理解させるために、グループエンカウター(気づきのための感受性訓練)を通して自己を見つめさせ気づきを大切にした指導を行った。生徒は「挨拶しないと変な気持ちだ。」「挨拶すると気分がいい。」などという反応を示した。その結果、心をこめて挨拶する生徒や職員室への礼儀正しい出入りをする生徒が増えてきて成果があったと考えられる。

(2) 時間の大切さを自覚させるために、ノーチャイムでの生活を継続して経験させた結果、始業二分前着席、特別教室への移動、全校集会での整列など、生徒が自ら考え次の行動に移ることができた。教師の指示や注意も減り、望ましい方向への変容が見られた。

(3) 話し合いについては、まず人前で話すことに慣れさせることが大切であると考え、短学活で『一分間スピーチ』を実施し、授業の中ではグループごとの話し合いをできるだけ多く取り入れるようにしてきた。

その結果、人前で話すことにあまり抵抗を示さなくなった生徒や、話す声が以前より大きくはっきりしてきた生徒が増えてきた。

 

−研究主題・副主題に対する基本的な考え方−

 

4、学校・家庭・地域社会との連携

 

4、学校・家庭・地域社会との連携

(1) クリーン作戦・花いっぱい運動実施後の感想文から自然や郷土、学校を愛する心を知ることができた。

(2) 学校・学級だよりを通して、道徳教育やその他の教育活動についての情報を提供したり、保護者の道徳の授業参観を実施したことにより、道徳教育に対する家庭の関心や理解が深まり、より協力的になった。

 

三、今後の課題

1、各種指導計画の形式や内容を実践に基づいて見直し修正を加える。

2、道徳の授業を更に充実させるため、多様な指導方法の工夫と、指導資料の開発に努める。

3、基本的な生活習慣に対する意識や態度が、更に良い方向に進めるよう継続指導する。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。