教育福島0154号(1991年(H03)04月)-015page
公立小学校九十八%、公立中学校七十九・八%などとなっています。(表1)
学校給食における大きな課題の一つに、中学校の完全給食の実施率が低いことがあげられます。中学校における学校給食が制度的に開始されたのが、小学校より遅れた昭和三十一年であったこともあり、その普及率は現在も遅れています。また、地域により実施状況に差があるのも特徴です。中学校における学校給食は、正しい食習慣の形成に資するだけでなく、好ましい人間関係の育成を通して、心の荒廃に関連する今日的問題の解決にも寄与することから、なお一層の普及が望まれます。
2 米飯給食の推進
米飯給食は、食事内容の多様化を図り、栄養を配慮した米飯の正しい食習慣を身に付けさせる見地から、教育上有意義であり、また我が国の食糧事情をも考慮して、昭和五十一年度の学校給食から導入し、計画的にその推進に努めてきました。
平成二年五月一日現在の本県における週当たりの米飯給食実施回数は、小学校二・八回、中学校二・七回となっており、今後は更に週三回の実施を目途に、実施回数の少ない都市部等における実施回数の増加を重点目標として、地域の実態を配慮しながら、段階的な回数の増加を図る必要があります。(表2)
米飯給食には、値引された政府米を使用しています。一〜二類米を四十%、三類米を六十%配合したそれぞれの地域の新米が供給されています。(表3)
なお、平成元年度から、新たに学校給食用自主流通米助成金制度が設けられました。この制度は、学校給食に自主流通米等(一〜二類)を供給した場合には、学校給食用値引率の七十五%相当額が、生産者団体等に、助成される仕組みとなっています。
本県においても、平成三年四月から一部の町村でこの制度を導入し、学校給食に地域産の自主流通米を供給しています。
なお、学校給食に自主流通米を導入する場合は、価格差をはじめ解決しなければならない、いくつかの課題がありますので、関係者間で慎重に検討する必要があります。
3 学校給食費
学校給食法では、学校給食の実施主体は義務教育諸学校の設置者であると定められており、設置者である市町村等の責任の下に学校給食が実施されることを前提とした規定がなされています。
学校給食に要する経費については、人件費及び施設整備費は設置者が負担し、食材料費等は保護者が負担することとされています。
また、学校給食の食事内容の充実に関して、児童生徒一人一回当たりの平均所要栄養量の基準と、これに基づく食品構成表も示されており、たとえ物価が上昇してもこの基準を満たす所要量は確保しなければならないこととされています。
給食費は、これらを前提として前年度に使用した食品の品目、数量、購入価格、過去の食材料の値上率の推移等を十分配慮しながら決められています。
表2 米飯給食の週当たりの実施回数(加重平均)
(2.5.1現在)
区分 学校数 児童生徒数 小学校 中学校 小・中計 小学校 中学校 小・中計 回 回 回 回 回 回 県北 2.6 2.5 2.6 2.4 2.5 2.5 県中 2.9 2.6 2.8 2.9 2.3 2.7 県南 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0 会津 2.9 3.2 3.0 2.6 2.8 2.7 南会津 3.0 3.8 3.2 2.7 3.4 2.9 相双 3.3 3.3 3.3 3.2 3.3 3.2 いわき 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 平均 2.79 2.71 2.77 2.64 2.52 2.60
表3 学校給食用精米の値引率
区分 値引率 1種価格(新規米飯実施校) 60%値引 2種価格(週2.5回以上実施校) 55%値引 3種価格(その他校) 50%値引