教育福島0154号(1991年(H03)04月)-024page
パソコンと私
松本史明
最近、コンピュータが郡内の教育現場にも導入されるようになってきた。本校においても、視聴覚教育部の中でパソコンの研究を取り上げることになった。「数少ない台数をいかに効果的に活用するか」というテーマで研究を進めている。これまでに、コンピュータ教育の先進校を視察し、教材・ソフトの工夫に取り組んできた。
しかし、自分自身のことを考えると、パソコンに対して消極的というより、傍観者的な態度であったように思う。パソコンは、これからの時代の機器だから、若い人がやればよいとか、敢えてパソコンを使わなくても用が足りるという考えを持っていたからである。
校内研究をきっかけに、私の学校にもパソコンを始める若い教師が目につくようになってきた。それも、ただ使えるというだけでなく、授業の中で積極的に活用しようという姿勢がみられるのである。
新聞等でも、コンピュータの導入に伴う指導者の不足を指摘しており、今後は指導者の養成が大きな課題であることは間違いない。このようなこともあって、以前よりはパソコンに対する関心も強く、今ではむしろ、積極的にその活用法についての研究に取り組んでいこうと思っている。
本校には、現在、五台のパソコンがある。放課後などに、教室でキーボードに向かっていると、いつも何人かの子供たちが集まってくる。彼らはパソコンに興味があるだけでなく、私がパソコンと対面していること自体に関心があるようだ。「先生もパソコンできるのですか」と言って、いとも簡単にキーボードをたたくのである。驚くばかりである。子供たちに尋ねてみると、家庭で父親のパソコンを使ってゲーム遊びをしていると言う。やはり今の時代の子供なのだと感心させられてしまう。
私自身、練習を始めてからいろいろ失敗もした。大事なソフトの中身を誤って消してしまったり、大事なところで動かなくなってしまったり、苦い体験の連続でした。学習指導要領の趣旨をふまえ、とにかく上手に操作できるというより、まず、教師自らがキーボードに慣れ、パソコンに慣れ親しむことが肝心と考え、毎日少しでもキーボードに触れるように心がけている。
(双葉町立楢葉北小学校教諭)
ある出会い
関本道子
この春、我が家の長女が運転免許証を取得しました。毎日の自動車学校での話を聞きながら、私も七年程前、自動車学校をようやく卒業した時のことを思い出しました。
当時、義母の入院などがあり自家用車の必要性を感じましたが、「アンチ車」だった夫は、全然免許を取る気持ちはなく、仕方がなく私が免許を取ろうと決心しました。
小学校のころから運動神経が鈍いことで有名でいくら練習してもとび箱をとび越せず、大学でも小専体育でパスができず「バレーボール」の単位を落としてしまったという実績をもっています。
そんな私が、しかも二十代後半という年齢でそうたやすく取れると思ってはいませんでしたが、予想以上に現実は厳しく、教科書で予習をしても車に乗ると頭の中はまっ白、いやまっ暗、教えられたように手も足も動いてくれず、そんな自分にいや気がさし、登校拒否症状に陥りました。教師となり、教える者の立場からしか考えられなかった登校を渋る子供たちの気持ちを実感しました。
いっしょに入校した人が卒業してもまだ三段階が終わらずにいる時、できない生徒に対する個別指導ということで、いつもN先生に教えていただけることになり、救われる思いがしました。
N先生は年輩の方でしたが、そのかもし出す雰囲気が温かく、安心した気持ちで練習が受けられ、いつもN先生だったら……と内心思っていた矢先でした。
N先生はだれにでも公平に接し、