教育福島0154号(1991年(H03)04月)-036page

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研究実践

 

言語事項を中心に据えて

豊かな言語感覚を育成する指導法に関する研究

国語 要田小学校 川崎潤

 

一 主題設定の理由

国語科の指導において、言語事項は欠くことのできない重要な指導内容である。言語事項抜きに、正確な理解や表現、さらには、豊かな国語力の育成などあり得ない。

しかし、これまで、言語事項は、日常の国語科の授業、つまり、表現や理解の授業から遊離した、文法事項の取り立て指導的な扱いを受けてきたのではないだろうか。

その結果、子どもたちは、授業の中で、言語事項に基づいた明確な根拠を持たない、その場限りのあいまいな理解や表現に終始してしまうため、自分の学習そのものに自信が持てず、最終的には、国語嫌いに陥ってしまっていた。

そこで、国語科の指導の核となるものは言語事項であるという立場から、文章を正確に理解したり、表現したりするための基礎となる言語事項を身につけさせ、豊かな言語感覚を養う指導法を追究しようと考え、本主題を設定した。

 

二 研究目標 (略)

 

三 研究仮説

1 基本仮説

理解領域の指導において、言語事項を中心に据えて教材研究を行い、読み取りの際、児童に表現の細部を意識化させ、正確に人物の気持ちや場面の様子をとらえさせていけば、豊かな言語感覚を育成することができるであろう。

2 作業仮説

1) 学習指導要領の言語事項を中心にして分析すれば、「A表現」と「B理解」の両領域と言語事項との関連が明らかになり、身に付けさせるべき言語事項が明確になるであろう。

2)言語事項を中心に据えて教材研究を行えば指導の視点が安定し、指導事項が明確になるであろう。

3) 児童に、表現の細部に着目し、他に考えられる表現との差異を明らかにする活動をさせれば、場面や人物の気持ちをより正確に読み取ることができるようになるであろう。

4) 児童に、自分の考えの根拠を文章中に求めさせていけば、誤った読みを回避することができ、全員が自分の考えに自信をもって、授業に意欲的、主体的に取り組むことができるであろう。

 

四 研究の計画と方法 (略)

 

五 研究の実際 (略)

 

六 研究の結果と考察

1 学習指導要領研究

「各領域関連指導一覧表」を作成したことによって、教材研究の結果得られた、作品の持つ特徴的な表現、構成等を言語事項を通してとらえることが容易になったとともに、身に付けさせるべき言語事項を明らかにして指導を行うことができるようになった。

2 教材研究

(1) 教材分析表、単元指導計画

「教材分析表」(資料1)、「単元指導計画」を作成したことにより、発問の幅が広がり、児童の多様な反応にも十分対応することが可能になった。

(2) 単元事前調査

ア 事前テスト

児童の変容を数量的にとらえる前提となり、有効であった。

イ 初発の感想

「初発感想一覧表」を作成し、児童に配布した。これにより、児童は、友人と自分との考え方の違いや自分自身の読みの変容を意識して書き込みしていくことができるようになってきた。また、教師側からすれば、児童の感想の傾向を把握するのに、大いに役立った。

(3) テキストプリント

本文を上段に、空欄を下段に取っ

 

 

 


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