教育福島0154号(1991年(H03)04月)-039page

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三、研究の内容

(一) コンピュータ機能の概念規定と分類

授業にコンピュータを活用するに当たってまず基本的に把握しておかなければならないのはコンピュータの機能である。本研究では「コンピュータの機能」をツール(道具)として活用する立場からとらえ、これを「学習指導や学習活動を支援するコンピュータのはたらき」と規定し、表2)のように七つの機能、内容に分類した。

 

(二) 学習指導内容と機能との関連

「コンピュータのどの機能を授業で活用したか」の調査結果から、教科・科目によって異なるものの、例えば理科では小・中・高校ともシミュレーション機能が最も活用されており、次いで図形作成機能等であるが、他方コンピュータの特性を生かせる計測の機能はほとんど活用されていない。これらから、使う必要がないと思われるところにコンピュータを使ったり、観察や実験を行い直接体験させるべき部分をコンピュータの模擬実験で済ませたりするという利用が見られた。

授業でコンピュータを効果的に活用するためには、コンピュータを「他の教材、教具や実験器具とともに一つのツール」と見なし、それぞれの教科・科目の指導内容を分析し、学習活動のどの内容の、どの場面に、どのような目的でコンピュータ特有の機能を活用すれば効果的であるかを明確にしておく必要がある。

そこで教科研究班を組織し、新学習指導要領に示された教科・科目の中から、小学校は理科、中学校は数学科、理科、技術・家庭科、高校は理科(物理IB、化学IB、生物IB)、家庭科(家庭一般)、商業科(流通経済)の三校種、七教科、九科目について、学習指導内容を分析し、コンピュータの機能との関連を追究し、関連表を作成した。表3)は中学校理科の例の一部である。

なお、詳細については平成二年度福島県教育センター研究紀要をご覧いただきたい。

 

四、おわりに

平成三年度は、前年度の研究を踏まえて、児童生徒の主体的な学習活動を促すためのコンピュータの活用の在り方について、小学校理科、中学校数学、高校家庭の三校種三教科に絞って実践研究に取り組んでいる。

 

表2) コンピュータの機能の分類

(具体例は理科)

 

表3) 中学校理科第二分野における関連

 

表3) 中学校理科第二分野における関連

 

表3) 中学校理科第二分野における関連

 

※活用理由の1)〜3)は,次による。 1)理解困難な内容の指導効果向上のため 2)観察,実験困難な内容の模擬体験提供のため 3)観察,実験等の効率化のため

 

 

 


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