教育福島0154号(1991年(H03)04月)-044page

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図書館コーナー

 

絵本あれこれ

 

読書には実生活では体験できない世界を体験したり、思考力や想像力を育てたり、知識を習得したり、人格を形成してゆく上に、はかり知れない程大切なものが含まれています。その読書の入口で生まれてはじめて子どもの出会う本が、絵本と言えるでしょう。子どもにとって絵本との出会いが日常生活の中で、ごく自然であれば大きくなっても本を読むことが楽しくなっていきます。

福島県立図書館では四月十一日から六月五日まで「絵本あれこれ展」として、従来の絵本とはちょっと違った、遊びと想像の感覚を持った絵本を読書への導入と考え展示しています。それぞれの特色がストーリー展開の意外性とおもしろさを引き出し、子どもたちの興味を呼び起こします。

しかけ絵本 画面の一部を動かし場面を変えたり、ページの大きさを変えたり、物の形に穴をあけたり、トレシングペーパーを重ねたり何らかのしかけがあるものです。

はらぺこあおむし(エリック・カール作)

きりのなかのサーカス(ブルーノ・ムナーリ)

きいろいのはちょうちょう(五味太郎)等。

とびだす絵本(ポップアップ絵本) ページを開くと中の絵が立体的に立ちあがるように作られており、最近では遊びや教育性の高いものまで、さまざまに工夫され出版されています。

おりたたみ絵本(アコーディオン絵本・びょうぶ絵本) 背をとじ込んでおらず、広げると一枚になるもので、日本では経本等昔から伝統がありますが、欧米にもこの形式のものがあります。

ひよことむぎばたけ(フルビーン作)

どうぶつランド(五味太郎作)

おみせやさん(五味太郎作)

ミニ絵本 ひときわ小さく作られており、日本では豆本と呼ばれ、現在では欧米で多く出版されています。

ちいさなちいさな絵本ばこ(センダック作)

ふぇありいぶっく(ビアンコフスキー作)

かえるくんのえほん(マーサー・メイヤー作)

ピーターラビットの絵本(ポター作)

布の絵本 布にアップリケや刺繍等で絵を付け本の形にしたもので絵柄に綿を入れて立体化したり、ボタンやマジックテープやファスナーをつけて、はずしたり動かしたりできるように工夫されているものが多いようです。初めは障害を持つ子どものために、ボランティアの方々により作られましたが、今では、すべての子どもたちを、ぬくもりのあるすぐれた絵本として楽しませています。

さわる絵本 手で触れて楽しめるように、隆起印刷等により絵を浮き上がらせたり、厚紙をくり抜いたりして、目の不自由な子どもたちのために作られました。点字が打ってあるものもあります。

その他 ページを開くと虫の鳴き声や音楽が出るしくみになっていたり、花や果物や料理の絵の部分をこすると勾いのするもの、お湯につけると絵が変わり、お風呂で遊べるようにビニール製のもの等もあります。

だんまりコオロギ(エリック・カール作)

せかいのどうよう(ツジムラ・ノブヒロ作)

ふしぎな木(いそ・けんじ作)

幼い時代に楽しく本と出会い、絵本の世界のおもしろさを充分に体験してくれることを願いながら、図書館本来の心に残る本への道案内を児童室では続けていきたいと思っています。

参考資料 絵本の世界(偕成社)

 

 

 


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