教育福島0155号(1991年(H03)06月)-015page

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践場面において、生徒の主体的自治的活動を促すことによって、集団生活の規律や秩序を守ろうとする自律的な態度が育成されるものと考えられる。

(3) 生徒一人ひとりに対して、早い時期から生徒指導の見地に立った進路指導をすることによって、自己実現への意欲を高めることができるものと考えられる。

(4) 諸集団活動を充実し、連帯感や士気を高めていくことによって生徒一人ひとりの主体性・独自性が伸長できるものと考えられる。

(5) 生徒一人ひとりの内面理解を図りながら、生徒と教師、生徒と生徒の望ましい人間関係づくりを進めることによって、自己受容が促され、環境に適応できる資質が育成されるものと考えられる。

 

四、研究実践

 

学習指導研究班

(一) 実践のねらい

生徒の学習活動の活性化を図り学習意欲を亢進させ、積極的に学習に取り組む態度を育成するために、次のことを実践することにした。

(二) 実践の概要

1) 選択教科・科目制の導入

三年生に対し、一教科二単位を八教科十三科目の中から選択させる。なお、学科の枠をはずした相互乗り入れの形をとった。

2) 授業研究の実践

教師の個性と創意工夫を重視し、生徒の学習活動の活性化を主眼として教師全員が実践した。

3) 小集団の学習活動

従来の専門教科における課題研究や実習などの小集団学習の指導の実績を基にして、普通教科においても小集団による学習の場を設定した。

(三) 実践の成果と課題

生徒は授業を自ら選択することにより、徐々にではあるが主体性を持ち始めてきている。小集団の学習活動によっても積極的な学習態度が培われつつあり、当初意図した生徒の変容が着実に進んでいる。今後の課題としては選択制の量的拡大、授業研究の円滑な実施のための条件整備があげられる。

 

進路指導研究班

(一) 実践のねらい

生徒が自己の進路について考えるということは、職業を選ぶというだけではなく、将来いかに生きるかということを考えることである。生徒に主体的に進路を選択する力を身につけさせるためには、自分自身をしっかり見つめ、将来への夢を持ち、それを実現するために現在何をしなければを考えさせることが必要である。そこで、「進路に根ざした学校生活」を送らせることを目標に次のことを実践した。

(二) 実践の概要

1) 自己の将来への目的意識の確立

・進路に関するオリエンテーションの実施・自作テキストの活用・各種調査の実施・進路委員の活用

2) 進路に関する自己理解の深化

・各種検査の実施・各種模擬テストの実施・進路ノートの活用・進路相談の充実

3) 主体的な進路選択能力の育成

・適切な進路情報の提供・工場見学の実施・先輩と語る会の実施・進路講話の実施

4) 自己実現できる能力の育成

・礼儀作法の指導・就職試験体験発表会の実施・学力向上への取り組み・進路内定後の指導・卒業後の指導

(三) 実践の成果と課題

生涯にわたる社会生活に必要な資質の涵養を研究の目標としているために、限られた期間の中でその成果を云々するのは困難であるが、会社の給料よりも仕事内容に関心を持つ生徒や、求人票を閲覧している中に二年生の姿が増加してきたことはその一つの現れであろう。これらはかつて「とにかく職に就ければいい、進学できればいい」という生徒が大多数を占めていたことと比べて、確かな変化が生徒の中に起こりつつあることを示すものと考える。今後は、これまでの実践に工夫と改善を加えながら、「在り方生き方」に結びつくようなきめ細かで親身な指導を継続していくつもりである。

 

生徒会活動研究班

(一) 実践のねらい

生徒会活動は、生徒の手によって運営される一種の社会活動である。そこに積極的に参加することによって、生徒は将来社会人として生活していくために必要な自主性、社会性、責任感などを身につけていくことができる。同時にその過程の中で、自己を見つめることにより、必然的に「人間としての在り方生き方」についても考えるようになるはずである。そこで、生徒会活動を活性化させるために、次のことを実践した。

(二) 実践の概要

1) 県高校体育大会会津地区大会開会式での全校応援

生徒一人ひとりに、愛校心と帰属意識を深めさせ、自らも自分たちの学校作りに加わっていこうと

 

 

 


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