教育福島0155号(1991年(H03)06月)-016page
する意欲を喚起するために、全校生による応援を十数年ぶりに復活させた。
2) 自主的な生徒会活動の試み
リーダー講習会(一泊二日)や校内レクリエーション大会など、従来の生徒会諸行事の運営方法を根本的に検討した。
3) 同好会の新設
生徒の興味・関心に即した同好会を作ることによって、毎日の学校生活を無為に過ごしている生徒たちに楽しく活動できる場を与えた。
(三) 実践の成果と課題
全校応援で生徒は大きな感動を味わい、自校に対する愛着と全校生徒の一体感を感じとった。同好会には予想以上の生徒が集まり、怠学気味であった生徒がこれを機に登校するようになったという喜ばしい結果も見られた。これからの課題として、文化部や各種委員会の活動の活性化の問題など、生徒自らが生き生きと活躍できるような生徒会活動の在り方を考えていきたい。
学級活動研究班
(一) 実践のねらい
学校において、「人間としての在り方生き方」ということに直接的にかかわるのがホームルーム活動である。人間として望ましい資質や能力・態度を養うためにも、その基盤としてのホームルーム作りが必要である。そこで生徒一人ひとりが大切な成員であることが自覚できるような温かみがあって人間的な交流のできるホームルームを目標に次のことを実践した。
(二) 実践の概要
1) ロングホームルームにエンカウンターを導入
本校独自のエクササイズ集を作成するとともに、学級担任の校内研修会を実施しながら、全ホームルームで導入を図った。
2) 生徒主体のホームルーム活動
ロングホームルームに生徒が主体的に取り組めるように、生徒を対象にした研修会を実施し年間計画の立て方や実際の進め方を指導した。更に、情報交換の場として、ロングホームルーム実践報告会を開催するなどして、これまでの学級担任主導になりがちだった運営方法の改善を図った。
3) 「在り方生き方」を念頭においたホームルーム経営の実践
「資格取得の奨励」、「養護学級の訪問学習」など、クラスによってそれぞれ取り組むテーマを設定して実践した。
(三) 実践の成果と課題
エンカウンターの導入によって自己理解、他者受容が促され、ホームルームの中に温かい人間関係が生まれてきた。また資格取得を奨励することによって、生徒は目的意識を持つようになり、養護学校での体験は生徒が「人間としての生き方」を考える契機となった。実践をとおして生徒が、自分の存在する価値と他者尊重の精神に目覚えたことは大きな成果といえる。これからは、「在り方生き方」について討議できるところまで生徒の資質を高めていくことを課題として、更に実践を継続していきたい。
地域連携研究班
(一) 実践のねらい
生徒の日常生活においては同じ高校生との交流がほとんどである。したがって地域社会との結びつきや家庭における親子の対話が乏しく、世代間の交流が少ない。そのため、生徒の人間としての内的成長は抑制されてしまう。そこで、生徒たちの積極的な社会参加を促し、そこに存するさまざまな教育的素材を活用しながら人間社会の一員としての自覚と責任を育成することによって「在り方生き方」を考えさせたい。
(二) 実践の概要
1) 開かれた学校を目指しての実践
市内の各行政区ごとに行われている「子供育成会」の諸行事に、生徒をサブリーダーとして参加させたり、市商工会の要請を受けて、市民のためのクリスマスツリーを約一ヵ月かけて製作するなど、九項目の諸活動を地域と連携しながら実践した。
2) 奉仕活動の実践
インターアクトクラブ(生徒たちの自主的な奉仕団体)の老人ホームの慰問や街路の美化活動、また市民総出の市内一斉クリーン作戦に、主管の市環境衛生課と連携のもとに一年生全員が参加し空カン拾いをするなどの奉仕活動を行った。
(三) 実践の成果と課題
地域社会との連携を実践していく中で、生徒の内面はわずかずつではあるが着実に変容のきざしを見せている。地域の人々から価値を認められ、誇りと喜びを感じられるようになるにつれ、「自分もかけがえのない人間の一人であり、それにふさわしくあらねばならない」とする自覚が生まれた。しかし、このような意識の変容が直ちに行動に結びつくものではない。今後はようやく盛りあがりを見せてきた心を、彼らの行動として発現させていくための手だてを考えていく必要があると考える。
生活指導研究班
(一) 実践のねらい
生徒指導の本質は、広く生徒の生