教育福島0155号(1991年(H03)06月)-018page
特集2
養護教育理解啓発の推進
−養護教育−
一、養護教育の対象児童生徒の理解
「みんなにあうまではすごくドキドキしていて、こんなで大丈夫だろうかと不安でいっぱい。そんな時に急に出迎えが来たのでビックリしてしまった。必死に友達友達と思っていたような気がする。…フォークダンスの時の嬉しそうな顔、ゲームの時の楽しそうな顔、みんな一人一人がとても輝いていた。私が一番嬉しかったのは、最後のお別れの握手だった。みんな温かい手をしていた。…本当にその辺の人より人間らしい人間だと私は感じた。やはりA二中のように接する機会を増やすと、みんなも、もっと理解が深まると思う。養護学校に行って驚きより感動のすばらしさを味わってきた。」
(心身障害児理解推進校 作文集より 中学校二年生 A子)
心身に障害があるために、小学校や中学校の通常の学級における教育では十分な教育効果を期待することが困難な児童生徒がいる。これらの児童生徒に対しては、その心身の障害の状態や発達段階、特性などに応じて適切な教育環境を整え、その可能性を最大限に伸ばし、可能な限り積極的に社会に参加する人間に育てるために、特別な配慮のもとでの適切な教育、つまり特殊教育が必要となる。本県では、特殊教育を「養護教育」と呼んでいる。
教育の場として、盲学校、聾学校、養護学校と、小学校、中学校の特殊学級があり、その場を障害別に分けると表一のようになる。
障害児のうち、盲・聾・養護学校における教育の対象となる児童生徒の障害の程度は、学校教育法施行令第二十二条の二に定められ、この規定の解説と運用については、文部省初等中等教育局通達「教育上特別な取扱いを要する児童生徒の教育措置について」(文初特第三○九号)によって示されている。
二、正しい理解を深める教育
養護教育のめざすところは、障害をもつ児童生徒に対して特別な配慮のもとにきめ細い教育を行うと共に、小学校、中学校等において障害をもつ子どもに対する正しい理解を深める教育を推進していくことにある。
特に障害児に対する偏見や誤解を取り除き、日常生活の上で、あるいは教育の上で、また将来の職業生活の上で等しくその権利が守られ尊重される社会をつくり上げていくことが必要である。
(一) 学校教育の中で
学校教育目標の中に障害をもつ子どもに対する理解を深める教育のねらいが含まれるようにし、その具現化を図ることである。(表二)
指導計画作成の方法と留意事項をあげると、
○指導計画作成の方法
表一 盲・聾・養護学校対象児童生徒
校種 障害別 盲学校 盲児及び強度の弱視者 聾学校 聾児及び強度の難聴者 養護学校 肢体不自由児 病弱・身体虚弱視 精神薄弱児
特殊学級対象児童生徒
1 弱視児 ○盲・聾・養護学校の対象児以外の軽度の障害児及び5言語障害児、6情緒障害児 2 難聴児 3 病弱・身体虚弱児 4 精神薄弱児 5 言語障害児 6 情緒障害児
表二 具現化のための全体計画例