教育福島0155号(1991年(H03)06月)-043page

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〈資料1〉具体的尺度

 

【第1段階】

自分を取り巻く状況の変化に対して、すでに身に付けている方法や、まったく新しい方法(基準は子ども自身)で適切に対処しようとする段階。子どもの対処の仕方によってこれを「学習」と「安定」の二つのレベルに分ける。

 

レベル1)[学習]

[思案]の段階を経て自分を取り巻く外界の状況の変化に対応しようとするレベル

(例)「10以上の数を数えられない子どもが、クラスの友だちにたくさんのみかんを配る時に、友だちを座らせて一つずつ渡していき、全員に同じ数のみかんを配った。」

レベル2)[安定]

既に形成されている方法でいつも安定して行動が起きていて、十分活動したうえで終わることのできるレベル。

(例)「『これで勉強を終わります。』と教師が言うと、当番の子どもは『姿勢を正してください。これで勉強を終わります。礼。』と言う。」

 

【第2段階】

自分を取り巻く状況の変化に適切に対処しきれない時に、受けるダメージを少なくしようとする状態で、心の平静さを保持しようとしたり、再び高いレベルの行動に立ち向かおうとしたりして、その準備をする段階。これも第1段階と同じ様に[思案]と[緩衝]、二つのレベルに分ける。

 

レベル3)[思案]

様々なことを考えている状態で、未だどのような対処をしてよいか決めかねたり、考えていることを楽しんでいたりするレベル。

(例)「これまで知っていたことに対して疑問を感じるような実験を教師がしているのを、じっと動かないでその不思議さを見たり聞いたりしながらも、疑問点の解決策を模索し、急に黙り込んだかと思うとブツブツつぶやいている。」

レベル4)[緩衝]

主たる行動に付随する形で起きたり、主たる行動を一時中断して別の行動をしたり変化をもたせて何とか自分を取り巻く外界の状況の変化に対応しているレベル。

(例)「テストの問題を解き始めたが途中で行き詰まり、鉛筆で机をトントンたたくことにより問題を解けないイライラを和らげようとしている。」

 

【第3段階】

自分の内的な又は自分を取り巻く外界の急激な状況の変化に対処しきれずにパニックになったり、閉じこもったりして、周りからの働きかけを受け付けにくくなる段階(レベル)。

 

レベル5)[混乱]

(例)「危ないからと教師に注意されたことで、友だちにかみついたり爪でひっかいたりする。」という行動や「友達にかみついたことで教師に注意され、部屋の片隅でうずくまってしまい、だれに声をかかけられても返事をしなくなる。」

 

 

 


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