教育福島0156号(1991年(H03)07月)-012page

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二 自校の教育課題と特色ある教育課程

各学校においては、新学習指導要領の趣旨を十分理解するとともに、これまでの教育活動を見直すなどして、それぞれの学校において取り組むべき課題を明確にした「特色ある教育課程」を全教職員の共通理解のもとに編成し、適正に実施することが必要である。

 

1 自校の教育課題の明確化

 

自校の教育課題を明確にするためには、次の各点について評価・反省し、改善点を明らかにしておく必要がある。

(1) 学校経営の評価・反省

○教育目標・重点目標の達成状況

○教育課程実施状況(指導計画・授業時数・進度・目標・内容等)

○教職員の共通理解と共通実践の状況

○学校と家庭及び地域との連携・協力体制の状況

(2) 学習指導の評価・反省

○ 基礎・基本の明確化と定着状況

○ 学習意欲を高める授業実施状況

○個性を生かし個人差を考慮した指導法の創意工夫、改善の実践状況

○主体的な学習に必要な学習の仕方の習得状況

(3) 生徒指導の機能を生かした教育活動の評価・反省

○自己決定の場を与えているか

○自己存在感を与えているか

○共感的人間関係が育っているか

なお、各学校においては、教育課程の基準の改善において重視された基礎・基本の徹底、自己教育力の育成、個性の伸長、徳育の充実、国際理解、情報化への対応等と県教育委員会の重点施策をも十分考慮して自校の教育課題を明らかにする必要がある。

 

2 特色ある教育課程の編成

 

特色ある教育課程とは、「自校の教育課題に立ち向かっていく創造的な学校経営の教育計画」と言える。「特色」は、この自校の課題解決の営みを通してにじみ出てくるものであり、他にない特別の教育計画や活動を意味するものではない。

○ 特色ある教育課程編成の留意点

ア 自校の教育課題について全教職員が共通理解に立ち、解決の方針、見通しと手だてを明確にすること

イ 指導計画の自校化を推進すること

○児童生徒の実態を的確にとらえる

〇課題解決のために何を自校化するか、何が実現可能かを明らかにする

○校長のリーダーシップのもとに自校化を進める体制をつくる

ウ 地域素材の教材化に努める等、地域の特性を生かすよう配慮すること

〇地域の施設、文化財、動植物、地形等について調査・分析する

 

3 教育課程の実施と評価・改善

 

(1) 教育課程の実施

自校の教育課題の解決のために編成した教育課程の効果的な実施のための留意点

ア 指導計画に基づき効果的に実施すること

○ねらいを明確にして授業を展開する

〇週案、時案を作成して実践し、反省を授業改善に生かす

イ 授業時数の確保に努める

ウ 進度の遅れや未習内容をなくす

エ 目標・内容の達成と個人差に配慮する

(2) 教育課程の評価と改善

教育課程に対しては、ねらい・時期・方法等を明確にして評価し、改善を加えていく必要がある。

評価の具体的方法は、学校規模、特色等による創意・工夫が望まれる。

○ 評価に当たっての留意点

ア 全教職員が協力して、組織的に進めること

イ計画を立て積極的に進めること(手順・日程の明示と年間計画への位置づけ等共通理解を図る)

ウ 評価しやすくより具体的な到達目標を設定し進めること

○ 教育課程改善のための手だて

ア 評価結果の分析と考察をすること

イ 改善の視点を決定し、重点化すること

ウ 早期に改善すべき事項を明らかにすること

エ 改善への方策を決めること

○ 改善のための留意点

ア 教育課程の改善計画を学校経営の中に位置付けること

イ 教育課程改善のための組織を工夫し機能させること

ウ 教育課程の評価に基づいて改善の方針を立てること

エ 教育課程の改善事項を検討し、改善の具体案を作成すること

 

 

 


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