教育福島0156号(1991年(H03)07月)-016page

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生かす自主的な活動が意欲的に展開されるように工夫すること

ウ 自然と触れ合う中で自己を見つめる場を設定するため、自然教室等を充実すること

 

2 学級や学校生活の充実と向上を図る学級活動

 

学級活動は、学級を単位として学級生活や学校生活の充実と向上を図り、児童生徒が当面する諸課題への対応や健全な生活態度の育成に資する活動を行うものである。

これらの活動を展開するに当たっては、次の点に配慮する必要がある。

(1) 小学校における配慮事項

ア 学級集団の発達段階を考えて指導すること

イ 一人一人の児童について、集団の中での成長を見つめ、児童の実態を的確に把握して指導すること

ウ 学級、学校生活やその他日常生活に関する諸問題に具体的に取り組ませること

エ 問題の解決に当たっては、必要に応じて児童の自発的、自主的な実践活動が展開されるように留意し、教師は児童と共に考え、児童と共に解決していく姿勢を常に失わないようにすること

(2) 中学校における配慮事項

ア 学級の実態や生徒の能力等の発達の程度に応じ、生徒が当面している諸問題の内容を検討することによって指導内容の重点化を図ること

イ 学級内の人間関係や個人の不安や悩み等、生徒の実態を十分把握すること

ウ 生徒の自主的な活動を助長するため、小集団の活動や係の活動等が積極的に展開されるよう配慮すること

エ 個性の伸長を図り、自己を正しく見つめ、人間としての生き方について自覚を深めるよう配慮すること

 

3 自発的・自主的な活動を通して個性の伸長を図る児童(生徒)会活動

 

児童(生徒)会活動は、単なる手段や方法ではなく、自発的・自治的活動そのものがねらいである。従って、次のような点に配慮する必要がある。

ア 児童生徒自身が自己の学校生活上の問題に気づき、自らの手で解決していこうとする態度を育てること

イ 児童生徒が、学校内の仕事を分担処理していく過程で様々な内容の活動を選択していくよう指導すること

ウ 計画段階での指導体制を確保し全教師が適切に指導できるよう共通理解を図ること

 

4 特別活動の指導の在り方

 

「人間性豊かな児童生徒」の育成は、望ましい集団活動を通して達成すべき特別活動の基本課題である。

実施に当たっては、新学習指導要領の趣旨及び内容について、十分理解し、指導計画を立てる必要がある。その際取り上げる内容については、学校や学級の実態に応じて、重点化を図るとともに、できるだけ児童生徒の計画に基づく自主的活動が展開されるよう努める必要がある。

 

六 生徒指導の充実

生徒指導は、学校がその教育目標を達成するための重要な機能の一つである。

それは、児童生徒をかけがえのない存在であると考え、すべての児童生徒の人格のより良い発達を図るために、学校の教育活動のすべてにわたって作用させることにより、学校教育目標の達成も可能となるからである。

児童生徒の問題行動が増加の傾向にある今日、生徒指導本来の意義を再確認し、積極的な生徒指導を推進することが必要であり、そのことが児童生徒の問題行動の防止にも直接つながるものであることを認識することが大切である。

 

1 生きて働く指導体制の確立

 

生徒指導の充実を図り、児童生徒の活動意欲を高めるためには、教師間の共通理解に基づく協力的な指導体制を確立することが大切である。

生徒指導は、日常の実践活動が重視され、平素の取り組みが確かな生徒指導体制の中で進められる時、児童生徒の自己実現に有効に作用することになる。同時に、思いがけず発生する問題行動への緊急な対応も可能となる。

更に児童生徒は、教師間の指導方針や指導態度の違いには極めて敏感で、その違いは、教師に対する不信感を抱かせ、活動意欲を喪失させ、問題行動を生み出す誘因になっていることも少なくない。

問題行動を鎮静化した学校においては、教師間の共通理解に基づく確固たる指導体制が確立されている事実を共通に見ることができるが、このことは、大切な教訓として受けとめなければならない。

各学校で指導体制を確立するに当っては、特に次の点に留意する必要がある。

ア 自校の生徒指導の課題を明確に

 

 

 


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