教育福島0156号(1991年(H03)07月)-019page

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エ 進路に関する情報の提供や進路相談を工夫すること

オ 保護者に対して、望ましい進路指導等の在り方についての啓発に努めるとともに関係機関等との連携に努めること

 

3 進路指導の進め方

 

進路指導は学級活動の中に位置付け、三年間を見通して学校の教育活動全体を通じて行うものである。

したがって、各学校においては、三か年間を見通して計画的、継続的な進路指導が行えるよう指導計画を作成する必要がある。

特に、各学年における進路指導の発展、系統を明らかにして、それぞれの学年の指導に当たることが大切である。

各学年の指導の目標は、次のとおりである。

ア 第一学年では、進路についての関心を深めるとともに、自己をよく理解し、進路についての学習を計画しようとする態度を養う。

イ 第二学年では、進路を明確にしていくとともに、進学したい学校や職業などに関する進路情報を理解させ、自己の計画を吟味して実現しようとする態度を養う。

ウ 第三学年では、自分にふさわしい進路を選択し、具体的に決定することが中心となるが、その過程で、必要な知識を指導して自己実現が図れるようにする。また、進路をめぐり、情報が不安定になり易い時期でもあるので、実態に即した指導を進めることも大切である。

 

4 進路指導と学級担任

 

学校における進路指導が適切に行われるためには、進路指導主事を中心としながら、学級担任の識見と熱意と指導力に期待するところが極めて大きいと言える。

進路指導における学級担任の役割としては、次のようなことが考えられる。

ア 学級における進路指導の目標、方針等の設定と指導計画の作成

イ 学級活動における進路指導の充実

ウ 進路に関する各種資料、情報の収集と提供

エ 生徒の個人に関する資料及び学級全体に関する資料の収集、整理活用等

オ 生徒の能力、適性の把握と進路相談の計画実施

カ 保護者との連携及び啓蒙

 

九 へき地・小規模校教育の充実

児童生徒に広く自然とのふれ合いの機会を持たせることの必要性や、一人一人の個に応じた教育の必要性が強く求められている今日、豊かな自然に恵まれたへき地や少人数の特性を生かせる小規模校の教育の良い点が見直されている。これからは、それらの特性を積極的に生かす教育が望まれる。

 

1 特性を生かす学校・学級経営

 

(1) 少人数の特性を生かす経営

少人数ということは、指導上多くの問題もあるが、反面、児童生徒一人一人に対するきめ細かな指導や全人的な児童生徒理解が容易であるなどの長所がある。その長所に着目して、一人一人をどのように伸ばすかを中心的な課題としてとらえ、「全職員が、全校児童生徒の担任である。」という意識で共通理解に立った実践を進めることが重要である。

(2) やる気を育てる経営

へき地・小規模校の児童生徒は、「言語による表現力が不足している」「何事においても積極性がない」などの傾向があるが、反面「教師の言うことを素直に聞く名性格は純真素朴である」など可能性を秘めた児立早年徳であることを忘れてはならない。

教師の熱意と個に即した指導法の工夫によって、一人一人の児童生徒の可能性を最大限に伸ばす努力が望まれる。

また、児童生徒は学校への誇りを持つことで自己の生活に自信を持ち、より積極的になる。

そのためには、恵まれた自然を生かした自然学習、地域社会との深いかかわりのある学習や勤労体験学習小規模校として可能な小集団学習など、特色ある活動を展開し、一人一人の積極性や社会性を育てる教育活動を計画的に進めることが重要である。

(3) 家庭、地域との連携を図る経営

交通網の整備、情報量の増大等により、家庭生活も大きく変化してきている。しかし、地域住民の純朴で人情味厚く、学校に対して協力を惜しまない姿勢は変わらないと思われる。

学校が、父母、地域の教育に対する願いや要求などを把握し、それに教育的考察と判断を加えて、父母、地域の要望に応え得る教育を推進すれば、地域住民も真剣にそれに応えようとする。

保護者及び地域住民と教師との人間的なふれ合いの中での話し合い

 

 

 


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