教育福島0156号(1991年(H03)07月)-032page
特別企画
教育相談の実態
どの子にも起こりうる不登校
教育センター教育相談部
県教育センターにおける教育相談の実態を、平成二年度の統計から紹介します。
当教育センターの平成二年度一年間の相談件数は、二百六十七件、相談者数は、延べ千二百四十八人となっています。平成元年度一年間の相談件数は、二百四十一件、相談者数は、延べ千百九十一人でしたので、件数・相談者数ともに増加しています。また、問題も複雑になっているようです。
一、多い中学生の相談
来所相談の場合は、中学生が一番多く、小学生、高校生の順になっています。(図1)
また、電話相談の場合は、中学生、高校生、小学生の順になっています。(図2)
図1 来所の対象別件数の割合
件数267件
図2 電話による対象別件数の割合
全交信回数1392回
二、多い不登校の相談
おもな相談内容を見てみると、来所・電話相談ともに『不登校』に関する相談が最も多くみられます。次に、教師からの生徒指導に関する相談や保護者からの子供の養育に関する相談などの教育一般となっています。(図3、4)
図3 主訴別にみた相談内容(来所相談)の割合
件数267件
図4 主訴別にみた相談内容(電話相談)の割合
全交信回数1392回
※『不登校』
不登校は、以前「学校恐怖症」、次に「登校拒否症」と呼ばれてきました。しかし、現在では「恐怖」「拒否」という言葉のみでは表現できないほどその症状は多様化しています。
そこで、当教育センターでは、不登校を「心理的要因によって登校できない、あるいはしないこととし、その指導援助にあたっては、特に心理的側面へのアプローチを重視する必要がある様態のこと」と定義しています。
すなわち、欠席しているというその様態を中心にとらえているのです。