教育福島0156号(1991年(H03)07月)-050page

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ふるさと探訪

県指定重要文化財(建造物)

専称寺本堂

専称寺は、山号を梅福山、院号を報恩院と称し、鷹永二年(一三九五)、良就上人十声大和尚によって山崎村に開山された浄土宗名越派の寺で、江戸期には、同派の奥州総本山として、また檀林(僧徒の学問修養の道場)として大いに栄えた。

現在の本堂は、寛文十一年(一六七一)の再建と伝えられているが、木造入母屋造りで、桁行二十二・三六メートル(十一間)、梁間十八・〇四メートル(九間)で規模が比較的大きく、角柱に三本の貫を通す土壁、軒は疎垂木を和様平三斗で支え、簡素ながら力強い外観を持つ。営内は、中央奥の方三間を円柱で囲む格天井で、畳敷の内陣、前三間、両側二間通りを竿縁天井で、畳敷の外陣とし、その周囲一間通りに切目縁拭板敷きの内縁を廻らしている。さらに正面通りには庫裡への廊下を兼ねて、幅一間の前縁を設けている。また、内陣中央の禅宗様須弥壇上には、入母屋造り唐破風付きの厨子を安置して阿弥陀三尊を納める。外陣に架ける大虹梁上の大瓶束をはじめ、内陣の欄間彫刻、来迎柱上の組物などの細工はいずれも入念で、一部には丹塗りや極彩色も施され、江戸初期らしい華麗さを併せ持つ建造物である。

なお、平成三年三月二十二日付けで県指定となったこの本堂と庫裡は、浄土宗檀林の姿を止めるものとして貴重であり、山号の由来する梅福山をはじめ、寂光院跡、衆寮跡などを確かめることができるその境域は、史跡及び名勝として高い価値を有するとして、昭和六十二年度末に県指定がなされている。昭和初年、衆寮跡地に植栽された六百本の白梅は、この境域にひとしおの風趣を添える。

所在地 いわき市平山崎字梅福山5番地

所在地 いわき市平山崎字梅福山5番地

所有者 専称寺所有者の住所 いわき市平山崎字梅福山5番地


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