教育福島0158号(1991年(H03)10月)-009page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

備すべきだという「学習者」の視点にたった理念だ。

生涯学習行政のねらいは人々に対し「いつでも、どこでも、だれでも」生涯学習ができるように学習情報や学習機会を整備し提供するというサービス行政である。

であるとするならば、生涯学習の視点は教育委員会だけでなく地方公共団体のすべての側面で行政サイドから考えていかなければならない問題であろう。国際化、情報化、高齢化、科学技術の進展など生涯学習の必要となってきた原因そのものが、まさに国や地方公共団体にいま求められている緊急の行政課題そのものだからなのだ。かつて行政の文化化で指摘されてきた視点のいくつかは生涯学習にそのままあてはまる。

私の提案する行政の生涯学習化とは、都道府県や市町村での各分野の行政を、新たに生涯学習の視点から見直し、行政に生涯学習の観点を注入しようとするものだ。

行政の生涯学習化は具体的には、次のような側面から展開してほしいと思う。

1) 学校、文化、スポーツ、福祉・医療、公園、会館、ホールなど公共的な住民の利便施設に必ず生涯学習の視点を加味する。

2) 福祉、労働、産業、土木、建設、農業、交通、教育、文化など行政の各分野において生涯学習の観点からの改善を加える。

3) まちづくりに住民の参画を求め、生涯学習の視点に立ったまちづくりをすすめる。

4) 行政内部の体質と職員の意識を変革し、県庁や市役所の職員がみんな地域や社会や自分自身のために学習し向上する組織にしていく。

 

▲高等学校開放講座「花を描く」

 

▲高等学校開放講座「花を描く」

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。