教育福島0158号(1991年(H03)10月)-011page

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では、「自由時間と休息に充てたい」とする割合が17.0%であり、「自己の能力開発、学習活動、地域活動などに充てたい」としているのは、30.0%強でした。

これを同じ項目の五十七年の調査と比較すると、「自由時間及び休息に充てたい」とする割合は2.2%減少し、自己の能力開発等生涯学習のための時間として充てる時間の割合は2.8%増加しています。

また、余暇を生かすとともに、今後生涯学習の一環として学習したい活動内容の設問に対しては、「健康づくり」や「奉仕活動」など身体活動を伴うもの、「文学、美術、歴史」などの教養、「料理、育児」など家庭生活に関するもの、「知識・技術の習得」などの能力開発に関するものなど、多種、多岐にわたっているのが現状です。

今後は、これらの学習への取り組みに対して、情報の提供や相談体制、及び施設や設備の充実、だれもが参加できる学習機会の提供と確保、制度の確立など、いわゆる生涯学習の基盤の整備が一層必要となっています。

 

〈図3〉 「生涯学習に関するアンケート調査結果の概要」から

 

〈図4〉

 

〈図4〉

 

二 生涯学習推進の背景と現状

 

二 生涯学習推進の背景と現状

(一) 生涯学習について

第12期中央教育審議会は、昭和五十六年に「生涯教育について」答申しています。

この答申では、人々は、自己の充実・啓発や生活向上のため、適切、かつ豊かな学習の機会を求めており、これらの学習は、各人がその自発的意思に基づいて行うことを基本とし、必要に応じ、自己に適した手段、方法を選んで生涯を通じて行うもので、これを「生涯学習」と呼ぶにふさわしいとしています。

そして、この生涯学習を援助するため、社会の様々な教育機能を相互の関連性を考慮しつつ総合的に整備・充実しようとするのが「生涯教育」の考え方であるとしています。

そうした考え方を受けて、昭和五十九年から六十二年までの臨時教育審議会は、その答申において、「わが国が今後、時代の変化に主体的に対応し、豊かで活力ある社会を築くためには、学歴社会の弊害を是正するとともに生涯学習体系への移行を図っていくことが大切である」としました。そして、どこで、いつ学んでもその成果が適切に評価され、多元的に人間が評価されるよう人々の意識を社会的に形成していく必要があると指摘しています。

 

(二) 生涯学習の目指すもの

臨時教育審議会の答申の中では、「生涯学習」の概念として、人々が読書や独学等、自由な個人的な活動やスポーツ活動、趣味、娯楽等幅広い日常の活動を視野にいれ、そこに楽しみと生きがいを見出す主体的活動を「学習」としてとらえる考え方に立っています。

この考え方から、人々の学習要求は従来よりもさらに幅の広い精神的・文化的な充実やその他日常生活に関するものまで及び、そのような意味では、各種のスポーツ、レクリエーションはもとより、種々の文化活動や民間のカルチャーセンターをはじめ現在、既に存在する種々の民間活動等のすべてが生涯学習の機会となり得るとしています。

言い換えれば、「学習」が学校教育や社会教育等だけでなく、他から教育としての機会を提供されないところにも学習活動の場を見出す、広い意味でとらえられることが必要である、としています。そして、これからの学習は、学校教育の基盤の上に各人の自由意思に基づき、必要に応じて自己に適した手段・方法を自らの責任において自由に選択し、生涯を通じて行われるとともに、その生

 

 

 


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