教育福島0158号(1991年(H03)10月)-012page
涯を通じて学習の機会が用意されている「生涯学習社会」、個性的で多様な生き方が尊重される「働きつつ学ぶ社会」を建設することが重要である、としています。
(三) 生涯学習推進の経過
臨時教育審議会の答申により、国は、生涯学習を推進する部局を文部省に置くとともに、社会教育局を生涯学習局と組織を改め、生涯学習の具体的な推進策の検討を進めてきました。平成二年一月、第14期中央教育審議会は文部省に、「生涯学習の基盤整備について」答申し、その答申に基づいて、平成二年七月、いわゆる「生涯学習振興法」の制定により、生涯学習に関する法制化が図られました。
こうした動きに合わせ、全国的な「生涯学習フェスティバル」の開催や、一村一品運動にみられる地域の活性化に果たす役割など、生涯学習への関心は、日毎に高くなってきています。県内でも、生涯学習の重要性の認識が深まり、県民への理解が浸透するとともに、県の「生涯教育推進本部」の設置(昭和六十年)に伴い、市町村での推進体制整備への取り組みも進み、自主設置を含め、今年度までに二十九市町村で組織づくりが行われています。(図5参照)
〈図5〉 市町村の生涯学習推進組織設置状況
三 生涯学習の基盤整備について
(一) 生涯学習の基盤整備の必要性
「生涯学習の基盤整備について」の答申で、中央教育審議会は、学習機会をより多くの人々に普及するための基盤の充実が求められる理由として、学校教育への過度の依存に伴う学歴偏重の弊害や、限られた教育機関による教育の機会及び、時期の固定化に対し、今後は、これを是正して、人々が生涯にわたって学習し、それが正当に評価される社会を築く、生涯学習社会への移行を目指すべき、と提言しています。
(二) 生涯学習と学校教育
臨時教育審議会の答申は、「個性重視の原則」及び「社会の変化への対応」とともに、「生涯学習体系への移行」を教育改革への基本原理として提起しています。
この考え方は、従来の学校中心の考え方を改め、「人々が、どこで学んでも、いつ学んでも、その成果が適切に、多元的に評価される生涯学習の立場に立って、家庭教育、学校教育、社会教育など、各分野にわたり、教育の総合的な再編成を図っていくこと」であり、中でも、生涯学習を担う大きな役割を持ち、生涯学習の