教育福島0158号(1991年(H03)10月)-038page

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特別企画

 

生涯学習社会への展望

講演内容抜粋

 

どを設置して、各種講座や講演会の開催などに取り組む市町村が増えています。

 

いわゆる生涯学習振興法が誕生してから一年が経過しました。県内でも生涯学習推進本部などを設置して、各種講座や講演会の開催などに取り組む市町村が増えています。

こうした中、七月二十五日、福島市の県文化センターで開かれた第二十回福島県市町村教育委員会研修大会で、文部省生涯学習局生涯学習振興課企画宮寺脇研氏の「生涯学習社会への展望」と題する講演が行われました。氏は文部省においての生涯学習推進の中心的立場にあり、講演は、生涯学習の考え方や今後の展開について示唆に富んだ内容で、大変好評でした。

次に、その講演の要旨を紹介します。

 

寺脇研氏略歴

昭和二十七年鹿児島県に生まれる

東京大学法学部卒業

昭和五十九年四月文部省入省

昭和五十九年四月福岡県教委指導第二課長

昭和六十一年四月文部省高等局私学助成課課長補佐

昭和六十三年四月文部省社会局社会教育課課長補佐

昭和六十三年七月文部省生涯局生涯学習振興課課長補佐

平成二年七月文部省生涯学習局生涯学習企画官

 

生涯学習の考え方は、昭和六十二年の臨時教育審議会の答申の中で初めて示された。

我が国の教育の歴史は長く、来年は学制百二十年を迎える。寺小屋から現在まで、世界的に見ても高い水準の教育が行われ、我が国の近代化の過程で学校教育は量的に拡大し、普及してきた。昭和五十年頃には高校の進学率が九十五%前後に達し高校の義務化が叫ばれ、大学の進学率も三十七%に達した。それが、高校も大学もそれ以来進学率は上昇せず平成三年度においても同じ水準のままである。これは、専修学校・専門学校へ入学する人、学校へ行かずに好きなことに打ちこむ人が増えてきたためである。こうした様々な生き方や考え方の人達に対応していくために、教育の量的拡大から質的充実への転換が迫られてきた。

文部省では、昭和六十三年に生涯学習局を設置し、「国民を生涯にわたり教育する」という立場から「国民が生涯にわたり学習するのを助ける」という発想に切り替えた。これが、「生涯教育」から「生涯学習」ということばに変わった大きな要因である。

人々は、生涯の各時期において精神的、文化的な充実を得るため、あるいは生活上、職業上の能力の向上

 

 

 


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