教育福島0158号(1991年(H03)10月)-043page
五、実践例(国語科授業の例)
(一)単元名 情景を思い浮かべて
「大造じいさんとガン」
(二) 単元の目標
(1) 場面の移り変わりの中で人物の関係や気持ちの変化を読み取り、作品の主題を考え、感想を深めることができるようにする。
(2) 作品を読んで持った感想を観点ごとに整理して、要旨の明確な文章に書くことができるようにする。
(三) 本時の目標
残雪の頭領としての勇敢な行動が、大造じいさんの心情を大きく変えていったことを読み取ることができる。
(四) 個性への対応策
(1) 個性を生かすためには、児童一人一人が自分のものの見方や考え方を持つようにすることが大切である。そのために本時では、サイドラインを引かせたり、自分の考えを記述させたりすることで、児童に固有の考えを持たせるようにしたい。
(2) 書く活動は、話し合い学習にはない大きな特質を持っている。つまり、気の小さい子、話すのは苦手だが書くことは得意であるといった子でも、書く活動によってならば、生き生きと主体的に学習に参加できる。一人一人が学習に参加できるようにさせたい。
(3) 児童一人一人の実態に応じた個別指導をすることで、基礎的・基本的内容の定着を図っていきたい。また、一人一人の読みに基づく音読や発言を、他の児童の読みと温かい態度で交流させることによって、より深く作品の世界に関われるようにさせたい。
(資料3参照)
資料2 個性を生かした授業の構想
六、研究のまとめ
(一) 成果
○国語、算数の研究を通して、個をとらえ、個を生かす手だてが明らかになり、授業の質的改善が図られつつある。
○主体的に学習に取り組もうとする意欲が見られるようになりつつある。
○ 全教科、全時間にわたる年間指導計画の作成により、新学習指導要領への課題が滞りなく行われている。
(二) 課題
○達成度や習熟度についての個性の追求が中心になったので、学習スタイル、興味・関心等についても研究を深める必要がある。
○国語科、算数科での研究の成果を、他教科へも生かしていく必要がある。
※記述中の研究実践内容についてくわしく知りたい方は、石川小学校(○二四七-二六-三三三五)にお問い合わせください。
資料3 授業実践例(指導過程)