教育福島0158号(1991年(H03)10月)-045page

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童の内面に関わることであり、長期にわたる道徳的実践の事例観察を通して慎重に検討していかなければならない。

 

2) 小学校算数科(鎌田小 四年生)

基礎的・基本的な内容を定着させ、児童一人一人の「よさ」を生かし、伸ばすために、中・長期的な展望にたった継続的な授業実践が必要であるという考えにより、今回の実践では領域の異なる二つの単元に取り組んだ。

単元全体を通して解決する楽しいめあてを持たせるとともに、基礎的・基本的な内容を十分内包した課題を設定し、「よさ」を生かすために、一人一人の達成度や学習速度に応じた多様な練習活動やコース別学習、学習内容を生かしての問題作りやその解決など様々な活動を展開した。

更に、毎時間の最後に位置づけた自己評価、「お手紙カード」による相互評価、教師のコメントの三点を個人カルテに集積して活用した。多くの視点からの「よさ」が書かれたこのカルテは、常に児童の手元にあったため、多面的に自分の「よさ」を意識化するのに役立った

なお、本研究の第四年次分の詳細については、研究紀要第八十三号(平成三年三月発行)を参照していただきたい。

四、第五年次の研究(平成三年度)

本年度は、第四年次までと同様に、研究協力校における検証授業を通して実践的に主題を追究するとともに、五年計画の最終年度を迎え、今までの研究のまとめをする。

〔研究協力校及び検証教科〕

福島市立平野小学校体育科

 

図1 【研究仮説】

 

学習指導において、児童生徒の持っている「よさ」や「その子らしさ」を把握し、その「よさ」や「その子らしさ」を生かす視点から、達成度の個人差や興味・関心、適性に応じる指導の在り方を工夫すれば、基礎的・基本的な内容を身につけさせたり、自覚させたりするとともに、一人一人の個性を生かし、伸ばすことができるであろう。

 

図2 【道徳における研究の仮説】

 

図2 【道徳における研究の仮説】

 

道徳の時間の指導において、児童一人一人の持っている「その子らしさ」を把握し、学習内容とのかかわりから道徳的価値に対する見方、考え方をしっかり持たせ、それを基に多面的、多様な考えを吟味、検討できる指導の在り方を工夫すれば、基礎的・基本的な内容に支えられた道徳的実践力が高まるとともに個性を生かしていくことができるであろう。

 

 

 

 

 


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