教育福島0158号(1991年(H03)10月)-050page
ふるさと探訪
県指定天然記念物(地質鉱物)
いわき市入間沢産クピナガリュウとノコギリエイ化石いわき市上高久産ステゴロフォドン象の下顎骨化石
平成三年三月二十二日付けで、「クビナガリュウとノコギリエイ化石」十三点及び「ステゴロフォドン象の下顎骨化石」一点の二件の化石が県の天然記念物として指定された。前者は、国立科学博物館所蔵のフタバスズキリュウの産地付近で昭和五十六年に発掘された化石の一部で、フタバスズキリュウと同種とみられているクビナガリュウの各部位の骨十二点と、アメリカやアフリカのイスキライザ属とは歯冠部の形態が全く異なるため新種として命名されたノコギリエイの鼻吻(鼻先)の刺一点とである。ともに、爬虫類や魚類の進化を調べる上で貴重な標本である。
後者は、昭和六十年に発見されたステゴロフォドン象の下顎骨で、四個の臼歯と先端に二本の牙が付いている。この化石は、東南アジアを中心に分布していた絶滅象であるステゴロフォドン象が、下顎にも二本の牙を有していることをはじめて明らかにするなど、その体制や生態の復元上極めて貴重な標本である。
所在地
いわき市常盤湯本町向田三番地の一
いわき市石炭化石館
所有者
いわき市
所有者の住所
いわき市平字梅本二十一番地
クビナガリュウの脊椎骨
復元想像図
ステゴロフォドン象の下顎骨化石
ステゴロフォドン象の復元想像図
ノコギリエイの鼻吻の刺