教育福島0159号(1991年(H03)11月)-008page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

特集1

魅力ある学校づくりのための特色ある活動

高等学校教育課

 

現在、「創造性豊かな魅力ある学校づくり推進事業」により、県立高等学校普通科設置校60校において、学校の活性化に取り組んでいます。

この事業は、(1)国際理解教育の推進、(2)情報処理教育の推進、(3)学力の向上、(4)スポーツの振興、(5)芸術文化の振興、(6)その他の領域のうちから、一領域を選んで実施するもので、3年間継続して、それぞれ特色ある学校づくりに努めています。

ここでは、郷土理解を通して特色ある学校づくりに取り組んでいる新地高等学校と、情報処理教育の推進を通して特色ある学校づくりに取り組んでいる大沼高等学校の実践を紹介します。

 

郷土を見つめる教育

福島県立新地高等学校

 

一 はじめに

 

新地高校は浜通りの北端、宮城県境に位置する新地町にある。生徒数は家政科一三三名、普通科一二五名計二五八名の小規模校である。

生徒は概ね純朴で素直であるが、学習に対する意欲・積極性が十分とはいえず、毎日の平穏な生活に埋没しがちである。

本校は創立以来、知・徳・体を教育目標に掲げ、基礎学力の充実・向上を目指すとともに、地域性に根ざし勤労に励むことを尊ぶ校風を育ててきた。

地域社会もまた本校を温かく見守り、協力を惜しまない。従前から「新地高校は半分は県立、半分は町立高校である」という親しみが人々の間に育まれてきた。

しかし、最近の社会環境の変化と生徒意識の変化によって、生徒の勤労観は次第に希薄になりつつある。

また地域における大規模な開発が進み、企業の進出に伴う急速な工業化は、かつての緑豊かな田園地帯に変貌をせまりつつある。このため特色ある歴史や有形無形の伝統文化が失われようとしている。こうした現状に対して急激な社会の変化や国際化に目を奪われ、永年培った地域との絆や勤労をいとわない心を失わせないよう、ひいては生徒各自に将来に向かっての確かな視点を築かせることが大切と思われる。

当地は戦国時代長く伊達・相馬両氏攻争の舞台であった。江戸時代は伊達領となり、明治に至って相馬郡に編入され福島県の最北端に位置づけられた特異な歴史を持つ。また古代に溯れば名高い新地貝塚や武井製

 

表1 創造性豊かな魅力ある学校づくり推進事業実施計画

表1 創造性豊かな魅力ある学校づくり推進事業実施計画

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。