教育福島0159号(1991年(H03)11月)-018page

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実行委員、事務局のお骨折りは並々ならぬものがあったことが感じられます。その後、五年毎の歩みを加えてゆき、現在は第三号までになりました。県内おかあさん合唱団のあしあとと現況が一目でわかり、貴重な資料として、後々までに伝えられるものと思っております。

二十七年間の中で、大きなイベントの一つとして特筆したいのは昨年、「第十三回全日本おかあさんコーラス全国大会」が郡山市民文化センターを会場として開催されたことです。政令都市以外で全国規模の大会をもったのは初めてということです。地元合唱団のおかあさんたちは、膨大な事務処理をしながら、大会に向かっての準備のために連日活動を続けました。その大会で、福島市おかあさん合唱団のグランプリ受賞は、実行委員の私たちも共に喜び感激したものでした。

発足当初をふりかえってみますと乏しい予算で運営してきましたが、現在は、一会員千円の会費制で円滑な運営が図られており、二十七年間の歴史の重みを感じます。同時に、音楽の内容においても研究が深まり年々充実していることは嬉しい限りです。

 

福島県高等学校文化連盟

福島県高等学校文化連盟は、「県内高校生の文化活動の健全な向上発展を図る」の趣旨を掲げ、「その輪を地区、県、そして全国にまで拡げよう」との思いが実って、昭和六十二年六月十七日に結成された。以来高校関係者の努力と、県関係当局の暖かい指導と援助により、組織及び高校生の活動が、拡充の一途をたどっている。現在、県内公立高校のすべてと、私立高校十六校を加えて、会員数は九万二千名を超え、演劇、音楽、美・工、科学、農業、国際教育、JRCなど十九専門部にわたって活躍している。毎年、県下五地区持ち回りの「総合文化祭」を中心に、それぞれの分野で成果を発表し、研鑽を積み、友情を育み、さらに、地域の人達との交流も深めている。本年は、高松市で開催された、「全国高校総合文化祭」に、二団体、八専門部の代表八十名を派遣したが、それぞれが全国の高校生と語り合い、研修し、熱い思いを分かち合い、明日へのエネルギーを蓄えて来た。「高校生の舞台から高校生の真の姿が見えてくる」と初代会長は述べている。文化を継承し、育て、創造できる高校生を信頼し、共に歩み、必要とあれば、積極的に助けたい。「美しいものへの憧憬と感動の素直な表現、真理を探求して止まない真摯な姿」これこそ、現会長が望み、そして誰からも共感を呼ぶ高校生像であり、こういう高校生を育てることこそ、この連盟の使命であると思う。

次は、本年度全国高校総合文化祭に派遣した二団体の県立保原高等学校合唱部と県立湯本高等学校演劇部の報告です。

 

全国高等学校総合文化祭合唱部門に出場して

県立保原高等学校合唱部

「両足でしっかり身体を支えて。でも、力は抜いて楽に立って。」「各パート内のピッチに注意…と毎日の部活動はこんな練習から始まります。一つの音楽室を合唱部と吹奏楽部の二つの部で使用し、指導者も私一人ですから練習時間と指導時間にはおのずと限界があり、与えられたこの短い時間をいかに効果的に行うかを常に頭におかなければなりません。生徒も私も真剣勝負で、時には何回もの反復練習のため、僅か二小節で練習が終わってしまう事もしばしばです。でも、そんな僅かの練習時間の中から、彼らは彼らなりに、彼らにとって重要だと思う物を見つけ、無意識の中(うち)にそれらを身につけ、一回(まわり)りも、二回(まわり)りも大きく逞しく成長してゆくのです。そんな姿を見たとき私は「ン、これでいいんだ…」とうなずく。

さて、この様な活動をしている我が合唱部は、今年幸いにも香川県での全国高等学校総合文化祭合唱部門に出場することが出来ました。八月二日の暑いさ中、二泊三日という決して楽ではない日程でした。しかも出演順が一番であることから演奏当日の朝は四時起床。

 

 

 

 

 


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