教育福島0159号(1991年(H03)11月)-026page
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生き生きと学習に取り組む生徒を育てる我が校の実践の中に生かしていくべきもの、深い教養、世話好き、包容力、アイデアに富む柔軟な思考、生徒の能力を伸ばす技法、生徒・教師の相談に時間をさいて応対するなど、学んだ事は多い。その十分の一でも教育技術の向上に役立てたいと、衰えはじめた気力・体力に鞭打っている現状である。A先生は現在、西郷村教育委員会に勤務、活躍されている鈴木茂彌先生である。
(白河市立白河第二中学校教諭)
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課題研究に取り組む生徒
手前は、ブタの心臓のしくみ
後方丁∨は、じん臓のはたらき
幼いころの思い出
新妻静代
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実体験をもたない子ども、遊びを知らない子ども、感動する心が失われている子ども等々…。幼児をとりまく様々な問題が山積している今日このごろですが、私はふと、自分の幼いころを思い出しました。
当時、農家のほとんどの家は茅ぶき屋根で、大きなガランとした部屋、広い土間、その片隅に台所と風呂場がありました。どこも現金収入が少なく、煮炊きをする時は、大部分が薪や松葉を使っていました。そのため、近くの山だけでは燃料を確保できず、遠くの持ち山までリヤカーを引いて出かけるのです。私にとって一番、楽しいときです。
道中、母がよく話してくれます。私は、母の話を聞くのが大好きでした。その中で、今でも私の心にやきついているのは、「物を大事にすること」「歩きながら食べないこと」「相手のことを先に考えること」「恩を受けたら感謝すること」など、人間としての基本的なことばかりですが、今のように、物心ともに豊かで文化的な生活をする時代でなかったので、幼いながらも、身をもって感じとっていたのだと思います。
山での仕事が一休みの時は、蕗の葉をコップ代わりにして清水を汲み、のどを潤すのです。冷たくておいしかったこと。水の味は、今でも忘れられません。
そして、お昼時になると、生木で作った筈で弁当を食べます。新鮮な青臭い木の香りで食べる弁当も、格別おいしく感じました。
笹舟も作って流しました。草笛にも何度も挑戦した覚えがあります。帰りは、リヤカーに高く積まれた、たきぎの上に乗って、ガタゴト揺られながら帰ります。
物が豊かでなかった時でしたが、自然を相手に、のびのびと豊かな体験ができたころの楽しかった思い出が今、ふつふつと、胸の中に蘇(よみがえ)ってきます。
直接体験の重要性が叫ばれている昨今、私たちは、自園周辺の環境を見直したり、保育に取り入れたりしながら、子どもたちにひとつでも多くの実体験をさせたいと、工夫をこらしています。実体験の中で、肌で感じ、豊かな感性が育くまれるよう願いながら…。
地域の方々も、大変協力的で、サンマ漁の船が入港した時や神社のお祭りで獅子舞いがある時は、必ず声をかけてくれます。ピチピチした魚を見て子どもたちは、歓声をあげて大騒ぎです。帰りは、サンマを分けてもらい、園に着いたら料理をして、子どもたちみんなで味わって食べます。いろいろな話題に花を咲かせながら…。
私たちは、地域の方々に感謝をし、心豊かで思いやりのある子どもたちに育つことを願いつつ、一日一日を大事に過ごしている今日このごろです。(いわき市立江名幼稚園教諭)
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